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那智の扇祭り 熊野那智大社

熊野那智大社の例大祭です。那智の火祭りとも呼ばれて古くから親しまれているお祭りで、12体の熊野の神々を滝の姿を現した6mの扇神輿に移し、50kgにもなる12本の大松明でお迎えしてその炎で清めます。


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那智の扇祭り 熊野那智大社のトップ画像

那智の扇祭り 熊野那智大社の歴史

那智の火祭りとは日本を代表する由緒あるお祭りで、毎年7月14日に開催され熊野那智大社の例大祭のことを指します。
那智の滝は日本有数の日本の名瀑。古くから信仰の対象とされて近年ではパワースポットとしても有名なこの那智の滝をご神体とするのが熊野那智大社です。

熊野那智大社は修験場の修行の場でもあるため、修験の祭りとしての要素もみられます。太古の時代から那智の滝の近くでは熊野の神々をお祭りしていましたが、約1700前に那智山の中腹に神々を遷して祭ったのが現在の熊野那智大社の始まりと言われています。熊野那智大社は全国にある熊野神社の御本社でもあります。

熊野那智大社の例大祭はここに祭られている神々を、滝の姿を現すとされる、朱色の細長い横木に金に朱の日の丸が描かれた扇で彩った神輿にのせて、もともとあったご那智の滝のもとへと里帰を行うお祭りとして行われるようになりました。そのため正式には那智の火祭りは「扇祭」といいます。

当日は本殿で祭りの始まりの儀式である「扇神輿渡御式」を行い、一同が滝に向かって出発します。途中「伏拝」という場所で扇を一度立てて並べて拝む、「扇ほめ神事」という儀式を行い、再び那智の滝のある飛瀧神社に向かいます。

一方、一行を迎えるために飛瀧神社では、重さ50kg以上の12本の大松明の火をもった白装束の氏子達が揃い、時間になると参道を登って、山から下りてきた扇神輿を炎で炙り清める「御火行事」を行います。火花が飛び交う迫力満点の「御火行事」にちなんで、「那智の火祭り」という名で親しまれてきました。

しかし平成27年に「那智の扇祭り」として国指定重要無形民俗文化財に指定されたことから、本来の祭りの名であった「扇祭」と記載されることも多くなりました。


那智の扇祭り 熊野那智大社の見どころ

当日のは早朝に扇神輿を並べて本社大前の儀を行い、続いて「大和舞」、笛の音に合わせて田植えのしぐさを取り入れて豊作を願う「那智田楽」といった舞が奉納されます。世界無形遺産にも登録されているこの伝統的な舞、メインの扇神輿渡御式では大変に込み合いますが、その前から行ってゆっくりこのようなお祭りの前の儀式を鑑賞するのもおすすめです。

午後からはじまる扇神輿渡御式では、滝の方向へ一斉に3度「ザアザアホウ」という声が響き渡り、大太鼓を連打して祭りが始まります。見学者の期待感も高まる瞬間です。

一番のこの祭りらしさを体験したい人はやはり午後2時ごろのクライマックスでの「大松明」が登場する時は外せません。高い石段を約50kgもする松明を抱えて駆け上がり燃え盛る炎と朱に染まった神輿、また手桶の水を持った火払所役水を松明に浴びせながら火の粉を消して回ります。朱色の神輿と火の粉と水が入り交う様子は実に原始的でダイナミックです。


那智の扇祭り 熊野那智大社の注意点

行列を見た後で火祭りをベストポジションで見ることは難しいので、行列を見たいのか、または火祭りのみをしっかり見学したいのかをあらかじめ決めておく必要があります。


火祭りのための指定席、招待席といったあらかじめ決められた観覧場所はないので、最適な位置で見学したい場合は早朝から行ってその場所を確保する必要があるからです。

滝下の最前列で見られるのがベストですが、報道用に確保されている場所もあるので、最前列を確保するのは至難のわざと言えるでしょう。それ以外だと石段の両側のロープが張られている場所で見学することになります。狭い場所での人混みですのでケガをしないよう注意が必要です。

車は神社駐車場か周辺のいくつかの民営の駐車場にとめることができますが、数に限りがあるため、公共機関を利用して行くことをおすすめします。

電車で行く場合はJR紀伊勝浦駅で下車、熊野交通バスで神社お寺前駐車場で降ります。所要時間はバスなら約30分 、タクシー約20分です(混雑状況によって異なります)。


古代から続く火と水の祭り

神輿は普通の箱形ですが、熊野那智大社例大祭で12体の神々をのせる神輿は幅1メートル、長さ6メートル程の細長い形をしています。この特殊な形は那智大滝の姿を表しています。

全部で12体の神輿がありますが、一体一体が月を表していて、12体全体で一年を表現しています。扇神輿の一番上には太陽のように全方位に向けて光を発する形になっていて、晴やかで美しい朱色の神輿が並ぶ様は圧巻です。

水である滝と松明の火が組み合わさったこのお祭りは、万物の源である水と活力を表す火が合わさることにより豊作を願うお祭りでもあります。また、扇には風をおこし、厄を遠のけて福を招くという意味合いもあります。太古から伝わるこういった万物の元素を表す象徴に一つ一つ想いをこめている点に注目して見学するのも面白いでしょう。


祭り有名番付

大関クラス
その他呼び名日本三大火祭
那智の火祭り・扇会式法会

※祭りびと制作委員会による独自評価。対象となる祭りがどのくらい知名度があるか全国調査により格付け。


祭り要素

伝統・祈願
踊り・神輿

祭り評価

歴史アイコン
歴史
ビジュアルアイコン
ビジュアル
★★★
屋台アイコン
出店
環境アイコン
環境
★★★
アクセスアイコン
アクセス
★★★

※祭りびと制作委員会による独自評価。各項目毎★5つが最高評価。☆は詳細が不明のため評価なし。

祭り日程 2018

2018年7月14日
日程・概要10:00~15:30


祭りを見る&祭りに参加する

祭りを観覧する 祭りに参加する
観覧料金 無料 参加料金 無料(一部有料あり)
観覧予約 必要なし 参加予約 当日予約可

来場者層

おひとり様
おひとり様
家族
家族
カップル
カップル
友達
友達
来場者数 約10000人

アクセス

住所 和歌山県那智勝浦町熊野那智大社
交通アクセス JRきのくに線「紀伊勝浦駅」から熊野交通バス約30分「那智山」~徒歩15分

駐車場

駐車場 有り 有料

主催 熊野那智大社 
公式URL http://kumanonachitaisha.or.jp/event/%e4%be%8b%e5%a4%a7%e7%a5%ad%ef%bc%88%e9%82%a3%e6%99%ba%e3%81%ae

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