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沖縄全島エイサーまつり

沖縄全島から選りすぐりの団体が集まり3日間にわたりエイサーの演武を披露します。1日目はコザゲート通りでの「道じゅねー」、2日目3日目は沖縄市コザ運動公園で青年会を中心にしたエイサー大会が開催されます。


沖縄全島エイサーまつりのトップ画像

沖縄全島エイサーまつりの歴史

真夏の沖縄に「エイサーエイサーヒヤヌガエイサー」と高揚感のある三線と太鼓の音が聞こえてくると、沖縄県民なら思わず踊りだしてしまいます。「沖縄全島エイサーまつり」は、旧盆明けの最初の週末の3日間、沖縄各地の青年会が伝統芸能「エイサー」を披露する夏の一大フェスティバルです。
エイサーとは、沖縄で旧盆時期に先祖の魂を供養するための踊りです。沖縄では旧盆最終日を「ウークイ(お送り)」と呼び、里帰りしていたご先祖達をあの世に送り出す日を指します。「なかなか帰りたがらないので、太鼓を叩いて明るく送り出す」そうです。エイサーはウークイの夜に踊る習わしでしたが、最近では初日ウンケー(お迎え)から3日連続で行われる事が多くなりました。古来より祖先や目上の者に対しての礼儀作法に厳しい沖縄では、エイサーによる先祖供養で家族の無病息災や繁栄を祈ってきました。
エイサーの起源は諸説ありますが、有力なのが「袋中上人(たいちゅうしょうにん)説」です。1603年に東北出身の僧侶「袋中上人」が首里城で浄土宗の布教をする際、一般庶民が分かるように琉球の言葉と歌に乗せて作った「念仏歌」に由来します。この「念仏歌」が当時の死者を弔う集団「ニンブチャー(念仏者)」によって琉球全土へ伝わり、現在では各地域の青年会に引き継がれています。その間に歌詞も、当初の仏教の教えに沖縄民謡などを交えて発展してきました。エイサーの語源は、念仏に挟まれる囃子から来ていると言われます。

「沖縄全島エイサーまつり」は初め、コザ市が誕生した1956年に「コザ市エイサーコンクール」として開催されました。素朴な衣装と踊りだったエイサーは「競い合う」ために曲や太鼓の数を増やしたり、踊りに隊列や躍動を加えたり、華やかな衣装にしたりと、見せるエイサーに変化しました。しかし地域独自の価値をもつエイサーに優劣をつけられないと、第22回からはコンクールではなく「沖縄全島エイサーまつり」となりました。

エイサーまつりは沖縄県外のみならず、海外でも行われています。近年では伝統的なエイサーにポップスやロックの曲を使用したり、独創的な衣装や振付の「創作エイサー」も多く存在し、県内外の様々なイベントで披露されています。そんな中でも「沖縄全島エイサーまつり」は沖縄県民にとっては夏の風物詩、観光客には本場エイサーを存分に味わえる熱い祭典となっています。


沖縄全島エイサーまつりの見どころ

初日(金曜)は夕方から「胡屋十字路周辺」にて「道ジュネー」が始まります。「道ジュネ-」とは先祖供養の芸能や祭りでの練行列のことを指し、エイサー本来の姿に最も近いものです。この日はいくつもの青年会が、国道330号からコザ・ゲート通りを2時間かけて練り歩いてエイサーを披露します。道端にいればパレードのように目の前で演舞が見られるのですが、至近距離に見るエイサーはエネルギッシュで迫力満点です。隣接地域との境に来ると、それぞれの青年会が双方の意地をかけてのエイサー共演「エイサーガーエー(エイサーオーラセー)」が行われます。この「ガーエー」では、相手のペースやリズムを崩させた方が勝ちなので、若者達は「ワッターエイサーが一番上等」と言わんばかりにヒートアップします。
中日(土曜)には、「沖縄市コザ運動公園陸上競技場」で「沖縄市青年まつり」が行われます。この日は、エイサーの本場である沖縄市の青年団による迫力のある舞が繰り広げられます。伝統的なエイサーを守り続ける青年会が多く、硬派なバチさばきのエイサーが見られます。そして最終日(日曜)の本祭では、同じく「コザ運動公園」で沖縄本島の北部・中部・南部から選抜された青年会などの団体や、全国の姉妹都市や協賛団体からのゲストが集結し、地域独自のエイサーや創作エイサーが披露されます。この日は選抜チームのレベルの高い演舞を一度に堪能できます。地域によって異なる太鼓の種類や踊りのスタイルを見比べてみるのも面白いでしょう。2日目と3日目のエイサー演舞終了後には「カシャーシー(歓喜の舞)」タイムがあり、鳴り響く三線、唄、太鼓のリズムに酔いしれた演者と観客が一体になって踊ります。その余韻が残る中、続くレーザーショーで盛り上がり、ラストは花火で感動的に締めくくられます。


沖縄全島エイサーまつりの注意点

旧盆期間中、町を歩いていて三線や指笛の音が聞こえ、沿道に人だかりができていたら「道ジェネ-」かもしれません。その時は近寄って観覧できますが、場所によっては個人の敷地内での「法事用の演舞」という事もあるので気をつけてください。
コザ運動公園への入場は無料ですが、スタンド席は有料となっています。S席とA席は全席指定です。前売りで完売してしまう事もあるので、早めに購入しておきましょう。B席は自由席で、前売りはありません。コザ運動公園にはエイサーグッズ販売ブース、リサイクルブース、有料の手荷物預かり所、授乳室などもあります。会場にはビン類、クーラボックス等の持ち込みはできないので注意してください。
なお、会場には駐車場がありません。車は市内の駐車場に駐車し、専用バスを利用しましょう。沖縄市内の330号沿いにはいくつも一般駐車場がありますが、臨時駐車場の開放時間は祭り中日と最終日の13:30から23:00までなので注意が必要です。会場へ行くシャトルバスは市内6ヶ所から20分毎に発着していますが、運行時間は13:30から22:00までです。バスの乗客待機所と会場の間は徒歩20分かかるので時間の余裕を見て行動しましょう。
エイサーまつりは野外炎天下での開催となるので、予め熱中症対策を考慮した服装や携帯品を準備し、会場ではまめに水分補給をしてください。沖縄市に行ってエイサーについてより知りたくなった人は、市内のミュージックタウン内にある「エイサー会館準備室エイサー家」や沖縄県内の書店にも足を運んでみると良いでしょう。


エイサーの編成

出場団体はそれぞれ隊列や技、構成人数、衣装等に工夫を凝らして競い合います。もともとエイサーの隊列は、太鼓や歌い手の地謡(三線弾き)を中心に、その周りを踊る円形舞踊でしたが、近年は縦列や横列など、円形ではなく変化のある形式のものが多くなりました。コザ運動公園の祭典では、まず「旗頭」が団体名が書かれた大きな旗を高く掲げながら入場してきます。次に花形「大太鼓(テークウチ)」が直径50cm、重さが5kg以上ある太鼓を持って続きます。太鼓の打ち方や表現方法は多様で、彼らがダイナミックに踊る姿は青年達の憧れの的です。そして隊列の大部分を占めるのは「締太鼓(シメデーク-)」です。太鼓の重さで反動をつけ、体全体で表現します。彼らの躍動感があるのに一糸乱れぬ群舞はとても見ごたえがあります。うるま市など沖縄中部の青年会等では「パーランク-」と呼ばれる片張りの小太鼓を用いますが、締太鼓とはまた違った雰囲気を醸し出します。その後方には「手踊り(ティーモイ)」が続きます。女性達の手踊は男性の勇ましい踊りとは対象的で、ゆったりと優雅な女性らしい手の動きに観客は魅了されてしまいます。手に扇や四つ竹、手ぬぐい等を持って踊る地域もあります。ちなみに本島北部にいくつか存在する「手踊のみのエイサー」が最も古いエイサーの形と言われています。最後尾の三線と唄を担当する地揺(ジウテー)は基本男性で、地元の名人・老人、青年会OBなどが担当します。その他、地域によっては顔面白塗りで編み笠をかぶった「京太郎(チョンダラー)」と呼ばれる道化役が隊列の間を歩き回り、場をより盛り上げます。一見ただフラフラしているように見えるチョンダラーですが、実は踊り手を鼓舞し隊列を整える役目を持っています。大抵OBが務めるチョンダラーは踊りの名手で、その踊りにはストーリー性があるそうです。
チョンダラー以外の男性の衣装は、頭に「マンサージ」を巻き、白襦袢の上に「ウッチャキ」を羽織り、角帯をしめ、足には脚絆。女性はかすり柄の着物に草鞋といった格好ですが、エイサーの衣装の色や柄に特に決まりはないので、各団体ごとの個性的な衣装を見比べてみるのも面白いでしょう。

地域でエイサーを踊るために結成された青年会には、数十人から多いところでは100人以上が所属しています。沖縄県内にある多くのエイサー青年会にとって、「沖縄全島エイサーまつり」への参加は一種のステータスです。エイサーが盛んなのは沖縄本島の北部から沖縄市やうるま市のある中部の地域ですが、その3大実力派青年会と言えば、平屋敷青年会、コザの園田青年会、屋慶名青年会です。その他にも硬派な山里青年会、胡屋青年会、北谷の青年会なども人気があります。沖縄の伝統芸能エイサーは、青年会の努力によって受け継がれています。


祭り有名番付

大関クラス

※祭りびと制作委員会による独自評価。対象となる祭りがどのくらい知名度があるか全国調査により格付け。


祭り要素

伝統・祈願
踊り・神輿

祭り評価

歴史アイコン
歴史
ビジュアルアイコン
ビジュアル
★★★
屋台アイコン
出店
環境アイコン
環境
★★★
アクセスアイコン
アクセス
★★★★★

※祭りびと制作委員会による独自評価。各項目毎★5つが最高評価。☆は詳細が不明のため評価なし。

祭り日程 2018

2018年8月31日~9月2日


祭りを見る&祭りに参加する

祭りを観覧する 祭りに参加する
観覧料金 無料(一部有料あり) 参加料金 無料(一部有料あり)
観覧予約 当日予約可 参加予約 当日予約可
観覧に関する詳細 スタンド席は有料 S席(全席指定) 前売り 2000円 / 当日 2500円、A席(全席指定) 前売り 1200円 / 当日 1500円、B席(全席自由) 前売り販売なし / 当日 1000円

来場者層

おひとり様
おひとり様
家族
家族
カップル
カップル
友達
友達
来場者数 300000人

アクセス

住所 沖縄県1日目:沖縄市上地/2日目:沖縄市諸見里1日目:1丁目1付近/2日目:2-1-1
交通アクセス 1日目:バス「胡屋」下車徒歩すぐ
2日目:バス「沖縄市運動公園」下車徒歩すぐ、または「園田」下車徒歩10分
※臨時シャトルバス有り

駐車場

駐車場 無料

主催 沖縄全島エイサーまつり実行委員会
公式URL http://www.zentoeisa.com/

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