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土佐赤岡どろめ祭り

赤岡海浜で開催される、どろめの大漁を願うお祭りです。メインイベントは大杯飲み干し大会で、男性は一升、女性は五合の地酒を一気に飲み干しタイムを競います。3年連続優勝すると、酒豪博士の認定書が授与されます。


土佐赤岡どろめ祭りのトップ画像

土佐赤岡どろめ祭りの歴史

「ぐぅーっと、ぐぅーっと」太平洋を背にした土佐の海辺のステージで、漆塗りの大杯いっぱいの地酒を一気に飲み干す「酒飲み」に観客席からの拍手喝采。この一風変わったイベントは、毎年4月末頃に高知県の香南市赤岡町の海浜で開催される「土佐赤岡どろめ祭り」の中の「大杯飲み干し大会」です。酒豪が多いとされる高知県らしいお祭りです。

祭名の「どろめ(泥目)」というのは、生のマイワシやウルメイワシ、カタクチイワシ等の稚魚のことです。高知の人は地引網でとれた新鮮などろめを酒の肴にします。つまり「どろめ祭り」は、そもそも、どろめの大漁を願う漁師達の祭りです。第1回が開催された昭和34年(1959年)には、よくある町の漁業祭りだったのですが、第3回の時に地元の醸造家「高木酒造」が地酒のPRをするために、どろめを肴にして酒を振る舞ったことに始まり、そこから高木酒造後援の「大杯飲み干し大会」が祭りに加わりました。それが雑誌「旭グラフ」に掲載され、「ユニークな土佐の大酒飲み祭り」として全国的に知れ渡りました。そしてお祭りの中心であった「魚(どろめ)」よりも「酒」の方のイメージがいつしか強くなってしまいました。現在この祭りは、香南市役所商工水産課内にある「土佐赤岡どろめ祭り実行委員会」が主催していて、高木酒造はもちろんのこと、地元の観光協会、漁業協会、商工会、銀行、新聞社やテレビ局等が後援しています。

どろめ祭りは、まさに「酒飲み土佐の祭り」と言えるでしょう。この祭りのお蔭で赤岡の名は県外でも知られるようになり、高知中央の小さな町が、この日には町の人口の数倍の人で溢れ返ります。「我こそは」と名乗りを上げるのは全国各地からだけではなく、この珍しい祭りの名を聞いて海外の酒豪達もわざわざ高知の赤岡までやってくるという何ともユニークなお祭りです。


土佐赤岡どろめ祭りの見どころ


「どろめ祭り」のハイライトは、やはり「大杯飲み干し大会」です。出場者がステージ上で朱色の杯を手にすると、すかさず取材のカメラマンが周りを取り囲みます。名物行司の「ぐぅーっと」の声につられて「おらんくの酒」を一気にあおる参加者達の豪快な飲みっぷりは、飲めない人が見ていても気持ちがいいでしょう。「おらんく」とは土佐弁で「自分の家」という意味だそうです。土佐では「升升(しょうしょう)飲む」という表現がありますが、この大会では、男性は一升(1.8リットル)、女性は五合(0.9リットル)の地酒をぐぐっと豪快に飲み干して競い合います。しかし、ただ早く飲み干せばいいという訳ではなく、審査では「飲みっぷり」と「飲み干す時間」の総合得点で優勝者が決まります。ちなみに飲み干す時間の平均タイムは、一升を飲む男性は12.5秒、5合を飲む女性は10.8秒という、かなりのスピードです。早く飲み干すために、つい杯を傾けたくなりますが、平たく開いた直径30cmの大杯をあまり傾けると、中の酒がこぼれてしまうので意外と難しいようです。急いで飲んで酒をこぼしすぎると失格になってしまいます。歴代の優勝者は他県の人達もいますが、やはり土佐出身者の割合は高いようです。3年連続して優勝した出場者は、「酒豪博士」という認定書が授与されます。

酒の肴として出される「どろめぬた」は生のイワシ稚魚を「土佐ぬた(にんにくの葉をすり下ろした味噌)」で和えた海産珍味ですが、生「どろめ」を釜揚げ加工した物が「しらす」や「ちりめんじゃこ」です。生で食べると淡白ですがほのかな苦味があり、その独特の食感と共に日本酒との相性が抜群だそうです。名物「どろめ汁」も絶品だそうなので、是非このチャンスに食べておきましょう。ちなみに大会で使用されるお酒は高木酒造が販売している地酒「豊能梅」という銘柄です。

祭りのメインは「大杯飲み干し大会」ですが、他にも「どろめ祭り」には赤岡ならではの催し事がたくさんあります。民謡クラブや子供たちによる「どろめ踊り」や勇壮な「漁船パレード」、地元の銀行支店長達による滑稽な「白波五人男」、ピチピチ旬のどろめを狙う「地引綱上がり」など、ここでしか見られない海男達のイベントも楽しんで帰りましょう。中でも、座礁しそうなくらい砂浜ギリギリで行われる「どろめ漁船団の回遊」は圧巻で見応えがあります。


土佐赤岡どろめ祭りの注意点

どろめ祭りの会場「赤岡海浜」へは、土佐くろしお鉄道「ごめん・なはり線」の「赤岡駅」から徒歩3分です。土佐電鉄バスだと、JR高知駅から安芸方面行きに乗り「赤岡南町」まで50分、下車してからは徒歩5分です。車で行く場合は、高知自動車道の南国ICから国道55号線を安芸方面へ向かうと約30分で着きます。会場には無料の駐車場が600台分程ありますが、お酒を飲まれる方は公共交通機関を使って行った方がいいでしょう。なお、高知空港からタクシーで行っても10分程度です。

会場での場所取りをせずにゆっくりと祭りを楽しみたい人には、テント席のチケット購入をお勧めします。事前販売されるテント席料金には、日本酒2合、どろめぬた、どろめ汁の料金が含まれています。チケットは香南市商工会が販売していますが、先着約1000席前後程度しか売られないので早めに購入しましょう。テント座席を使わない場合も、会場では飲食の露天も多数出店されているので、どろめ料理を存分に味わうことができます。ちなみに、どろめは鮮度が落ちるのが非常に早いので、できるだけ早く食べましょう。

「大杯飲み干し大会」への出場希望者は、当日の朝9:30から10:00までの間に会場で申込みをしてください。その後、抽選で出場者が決まります。毎年の参加者は男性女性合わせて25人前後です。選ばれた出場者は、医師の健康診断を受けてから競技に参加できます。急性アルコール中毒を防ぐため、ステージ上でお酒を飲み干した後はアルコールを体外に出すように指導されます。

どろめ祭りが開催される4月末の高知は既に日差しが強いので、日傘や日焼け止めの準備をしておきましょう。祭りは小雨でも決行されますが、地引綱上がりのイベントは悪天候の場合は中止になります。


祭り有名番付

小結クラス

※祭りびと制作委員会による独自評価。対象となる祭りがどのくらい知名度があるか全国調査により格付け。


祭り要素

食イベント

祭り評価

歴史アイコン
歴史
ビジュアルアイコン
ビジュアル
★★
屋台アイコン
出店
★★
環境アイコン
環境
★★★★
アクセスアイコン
アクセス
★★★

※祭りびと制作委員会による独自評価。各項目毎★5つが最高評価。☆は詳細が不明のため評価なし。

祭り日程 2018

2018年4月29日


祭りを見る&祭りに参加する

祭りを観覧する 祭りに参加する
観覧料金 無料 参加料金 無料(一部有料あり)
観覧予約 必要なし 参加予約 当日予約可
参加に関する詳細 ○大杯飲み干し大会
 祭り当日9:30~10:00の間に受付。抽選の後、健康状態を問診票に記入、医師による診断を経て出場者を決定。
 ※可能な方は健康診断書のコピーを当日持参

○テント席(有料席)チケット
 チケット代金:1人2,800円(お酒2合・どろめ汁・どろめぬた・座席料含む) 、先着900名様
 ※テント席(有料席)の購入については香南市商工会へ問い合わせ

来場者層

家族
家族

アクセス

住所 高知県香南市赤岡海浜
交通アクセス 電車:土佐くろしお鉄道「あかおか駅」から徒歩5分
車:高知道南国ICから国道55号経由16km30分

駐車場

駐車場 無料 600台

主催 土佐赤岡どろめ祭り実行委員会
公式URL http://www.city.kochi-konan.lg.jp/life/dtl.php?hdnKey=1745

土佐赤岡どろめ祭りのレビュー

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