阿波踊り
毎年8月12日から15日まで、徳島市中心街一円が踊りのステージと化す夏まつりです。軽快な「よしこの」のリズムに乗った踊り手たちが、見物客を巻き込んで、夜遅くまで踊り続けます。また、三味線流し、船上からの邦楽演奏、など多彩な踊り関連の催事が行われます。

阿波踊りの歴史
「踊る阿呆に見る阿呆。同じ阿呆なら踊らにゃ損々!」毎年8月12日から15日に行われる日本三大盆踊りの一つとして名高い「徳島阿波おどり」。徳島市が一年で最も熱気に包まれる4日間です!踊り子総数10万人とも言われる徳島市の阿波おどりは、まさに本家本元、日本最大規模と言えるでしょう。祭り期間中は屋内会場や桟敷席が設けられた演舞場のみならず、市内のおどり広場、まちかど広場、おどりロードなど、あらゆる場所が舞台となって踊りが繰り広げられます。独特な「よしこの」の節が流れる中、900以上あると言われる「連(踊りの団体)」が徳島市内各地を踊り流します。阿波おどり特有の「ぞめき」と言う陽気で情感のある二拍子のリズムを作り出しているのは、「鳴り物」と呼ばれる鉦(かね)、横笛、大太鼓、三味線、鼓(つづみ)、締太鼓の組み合わせです。その音にのって踊り子たちは「ヤットサー」等の「掛け言葉・囃子言葉」を発しながら踊ります。躍動感のある小気味良いステップを踏む男踊り、鳥追い笠を被ってしなやかに踊る女踊りの優美で息の合った動き、女性のハッピ踊りのはち切れんばかりの笑顔と柔らかい手さばき、元気弾けるちびっこ踊り。どれもこれも阿波おどりを特徴付ける魅力と言えるでしょう。
阿波おどりの起源としては3つの有力説があります。徳島藩祖の蜂須賀公が天正14年(1586年)に徳島城の城主となった事を祝して、城下の町民が踊ったことから始まったとする「築城起源説」。次に鎌倉時代の念仏踊りから続く先祖供養が由来と考える「盆踊り起源説」。そして、戦国末期の勝端城で行われていた「風流踊り(能楽のもと)」を起源とする「風流踊り起源説」。いずれにしても、阿波おどりは庶民の生活の中で生まれ、民衆文化と共に発展し、戦後は復興の象徴として踊る人も急増し、次第に日本全国へと広がっていったお祭りです。
祭りの中心核である「阿波おどり振興協会」「徳島県阿波おどり協会」「徳島県阿波おどり保存協会」に所属する連は有名連と呼ばれます。彼らはお盆期間だけでなく、年を通して阿波おどり会館等でその質の高い演舞を披露しますが、中には徳島県外や海外での公演を行う連もあります。踊り子たちにとって、阿波おどりは誇りであり生きがいであると言います。「ぞめき」のリズムで育ってきた彼らが全身全霊で私達に伝えてくれる、進化し続ける阿波おどり。国内のみならず日本を代表する伝統芸能として世界中で注目されるお祭りです。
阿波踊りの見どころ
阿波おどりに行ったら絶対におさえておきたいのが、「選抜阿波おどり大会前夜祭」、本番の「選抜阿波おどり大会」、野外演舞場での「阿波おどり」の3つです。まず8月11日の前夜祭では、「アスティとくしま」で有名連による阿波おどりが上演されます。「阿波おどり振興協会」と「徳島県阿波おどり協会」合同の演舞が見られるのはこの日だけなので必見ですよ!選抜された有名連がそれぞれ舞台演出を凝らした豪華な踊りを披露します。祭り本番の12日から15日にかけては、日中「あわぎんホール」と「徳島市立文化センター」にて有名連による「選抜阿波おどり」が熱演されます。ステージ上ならではの光の演出や、ダイナミックかつ洗練されたフォーメーションの踊りは、かなり見ごたえがあります。しかし、やはりメインは何と言っても連日22時から野外演舞場で披露される「総踊り」でしょう。連名入りの提灯を持った「高張提灯」を先頭に、踊り子達が連ごとに揃った動きで途切れること無く踊り進んでいく姿は、まさに圧巻です!
阿波おどりは見るよりも、踊る方がはるかに楽しいと言われます。最低限の踊り方さえ覚えれば、誰でもすぐに踊り始められます。当日「にわか連」に加わって練習した後に演舞場で踊る事も可能です。服装は自由ですが、にわか連オリジナルハッピの貸出もあります。市内各所のおどり広場では、見物客が踊り子の手ほどきを受けながら一緒に輪になって踊る「輪踊り」の光景も見られます。「アスティとくしま」では祭り期間中、無料で有名連のレッスンも受けられます。阿波おどり会館でも年間通して阿波おどり体験をすることができます。「実際に踊ってみて初めて、阿波おどりの本当の魅力が分かった」と言う人が多いそうです。
阿波踊りの注意点
祭り当日には市内に4つの有料演舞場と3つの無料演舞場が用意されます。すべての演舞場が駅から10分と徒歩圏内です。有料演舞場は前半が18時から20時、後半が20時半から22時半の2部入替え制です。開けた場所なので開幕式も行われる「市役所前演舞場」、バスターミナルに近く露店も多い「紺屋町演舞場」、「阿波おどりからくり時計」が目印の「藍場浜演舞場」、そして映画「眉山」の舞台にもなった「南内町演舞場」では、連日22時から有名連達の「総踊り」が行われます。有料演舞場では、有名連の洗練された踊りを堪能することができます。
無料演舞場は、両国本町演舞場(全長170mで7か所中最も長いので踊り子や見物客が集中する。車椅子専用の福祉コーナーがある)、新町橋演舞場(県内最大である東新町商店街の入口近く。新町橋は阿波おどりの囃子「よしこの節」にも謳われる有名な橋。)、元町演舞場(バスターミナルの近く)の3ヶ所。有料演舞場に比べると大学連や企業連の割合が多くなります。3段の観覧席は小規模で桟敷も低く、連全体を上から見ることはできませんが、間近で見られるので踊りの臨場感が味わえます。ただ、無料演舞場は席が少なく入れ替えもないので、直前の席の確保は困難です。演舞場と演舞場をつなぐ道は「おどりロード」と呼ばれ、移動する踊り子と大勢の見物客で埋め尽くされます。その他、新町川に浮かぶ舟からの観覧も可能です。
屋内会場での前夜祭と選抜阿波おどり、阿波おどり桟敷席のチケットは当日コンビニや演舞場近くの売店で販売していますが、見晴らしのいい席を確保したい場合は前売り券を購入しておいた方がいいですね。通常は7月からの販売ですが、演舞場によっては6月中に販売開始されるので事前にチェックしておきましょう。チケット購入の際は、踊り手一人ひとりの細かい手足の動きが見たかったら桟敷の前列、見事にシンクロする集団パフォーマンスがお目当てなら後列席を選ぶのがポイントです。演舞終了は22時30分と遅いのですが徳島市内には宿泊施設が少ないので、早めに予約をしておきましょう。旅行会社による「阿波おどり観覧ツアー」も多数あるので、ツアーに参加するのもいいかと思います。車で行く場合は18時に交通規制が始まる前に市内に入って駐車しておきましょう。
徳島阿波おどりをより楽しくみるために
阿波おどりには連によって多種多様な振り付けが存在しますが、その踊り方は大きく3つに分けられます。その三大主流の踊りの特徴を知っておけば、各連の演舞の観覧が数段面白くなるはずです。まずは、細かい爪先のリズムで大地を刻み、上半身は起こし、切れよく団扇を動かして陽気に踊る「のんき調」、次に、腰を落とした前傾き姿勢でタメを利かせ、団扇を網打ちのように動かし、ゆったりとすり足で踊る「娯茶平(ごぢゃへい)調」、そして足を高く蹴り上げ、提灯を持って豪快に激しく踊る、躍動感あふれる「阿呆調」。その動きの特徴から、「のんき調」は農民の踊り、「娯茶平調」は漁師の踊り、「阿呆調」は武士の踊りとも言われます。数多い連の踊りひとつひとつを、何調の踊りか分類しながら観覧してみてください。
徳島阿波おどりには、毎回観客を魅了する「スター踊り子」が存在します。ほとんどの方はベテランの域を超え、現在は連長や会長を務める方々です。彼らは県内のイベントだけでなく国内外でその演舞を披露しているので、メディア等を通じてその卓越した踊りを目にすることもあるでしょう。彼らの踊りを見て、阿波おどりの世界にのめり込んでゆく子供や若者たちもいます。彼ら一人ひとりの個性的な踊り方をよく見れば、前述の三大流派より更に細かく分かれた踊りのタイプが分かると思います。あなたもお気に入りの踊り方やスター踊り子を見つけて、機会があったら是非真似して踊ってみてください!
祭り有名番付

その他呼び名 | 徳島市阿波おどり |
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※祭りびと制作委員会による独自評価。対象となる祭りがどのくらい知名度があるか全国調査により格付け。
祭り要素
祭り評価
※祭りびと制作委員会による独自評価。各項目毎★5つが最高評価。☆は詳細が不明のため評価なし。
祭り日程 2018
有料演舞場(4か所)第1部 18:00~20:0
有料演舞場(4か所)第2部 20:30~22:30
選抜阿波おどり 11:00~、13:30~、16:00~
無料演舞場 18:00~22:30
祭りを見る&祭りに参加する
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観覧料金 | 無料(一部有料あり) | 参加料金 | 無料 |
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観覧予約 | 当日予約可 | 参加予約 | 必要なし |
「有料演舞場」当日券は、総合案内所、演舞場特設売り場で発売。 コンビニでも購入可能
「にわか連」は誰でも参加可
希望者は「徳島市役所市民広場」及び「元町おどり広場」に集合。服装などはそのままでOK!
午後6時30分と午後8時30分(2回実施)
来場者層




アクセス
住所 | 徳島県徳島市 |
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交通アクセス | JR「徳島駅」から各所へ |
駐車場
駐車場 | 有り |
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祭り問合せ
主催 | 阿波おどり実行委員会(徳島市観光課内) |
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公式URL | https://awaodori-kanko.jp/ |