天神祭 大阪天満宮
1000以上の伝統を誇る日本屈指のお祭りです。最大の見どころは最終日に行われる船渡御で、御鳳輦船が100隻もの船を従えて大川を行きかう様は圧巻です。また、奉納花火の打ち上げも行われ、毎年、天神様にちなんで梅鉢の形に開く紅梅というオリジナル花火が打ち上げられる他、文字の仕掛け花火などユニークな花火が多く、約5000発の花火が都心の夜空を彩ります。
関連する祭り
大阪天満宮 初天神梅花祭
大阪天満宮 鎮花祭
星愛七夕まつり
大阪天満宮 終天神
大阪天満宮 初詣
てんま天神梅まつり
天神祭 大阪天満宮 の歴史
浪速の街を横切る大川に浮かぶ100隻もの舟の幻想的な篝火と夜空を美しく彩る大迫力の花火。「火と水の祭典」として知られるこの「天神祭」は、全国的にも非常に名高いお祭りです。天神祭というのは、学問の神様である菅原道真の命日にちなんで、毎月25日前後に全国の天満宮で行われるお祭りの総称です。中でも大阪天満宮の天神祭は最も有名で、東京の神田祭、京都の祇園祭と並び日本三大祭の一つとされています。
天神祭では、6月下旬の「装束賜式(しょうぞくたばりしき)」から7月25日の本宮までの約1ヶ月間に亘り諸行事が行われますが、メイン行事は2宵宮と本宮の2日間に集中して行われます。宵宮の日には「鉾流神事(ほこながししんじ)」や「催太鼓(もよおしだいこ)」、本宮の日には豪華な衣装の大行列「陸渡御(りくとぎょ)」や100隻もの大船団が行き交う名物「船渡御(ふなとぎょ)」が見られます。船々のバックを「奉納花火」が華麗に飾る時、天神祭は最高潮に達します。
天神祭の歴史は古く、大阪天満宮が鎮座した2年後の天暦5年(951年)6月1日に行われた「鉾流神事」が起源だと言われます。これは、川に流した神鉾が流れ着いた場所に「御旅所(おたびしょ)」という神様の休憩所を設け、舟に乗せた御神霊をそこまでお連れするというもので、この航行が現在の「船渡御」として残っています。神輿奉仕がいつから始まったのかは明確ではありませんが、江戸時代には「鳳神輿(おおとりみこし)」が担がれていたという記録があります。「玉神輿(たまみこし)」が誕生したのも江戸時代です。その頃既に天神祭は日本三大祭のひとつと言われるようになりました。元禄時代には「講(こう)」と呼ばれる宗教・経済・社交上の活動を支える結集集団が形成されました。講は、「御鳳輦講」「太鼓中」「御神酒講」「御船講」のように、各講が天神祭内でそれぞれの役割を持っています。現在の講は町や商業団体中心に構成され、大阪天満宮の講をまとめる「大阪天満宮講社連合会」によって天神祭に関する基本的な事が決められています。長い歴史の中で、鉾流神事や渡御列の中断の時があったり、地盤沈下によって大川の船渡御のルート変更をしたりとありましたが、天神祭の伝統は現代まで守られています。渡御とは御神霊が地域の無事平安を見回るために巡幸する事を言いますが、大阪天満宮の場合はその氏地が西方へと遠く伸びているため、前半は神輿で町を見回る「陸渡御」、そして後半は船に乗って御旅所まで行く「船渡御」というように全国的にも珍しいものです。昭和56年(1981年)に明るく楽しい街づくりを目指して誕生した「天神祭女性神輿」は、いつの間にか「ギャルみこし」と呼ばれるようになり、天神祭の名物のひとつになっています。平成6年にはオーストラリアで「天神祭フェスティバル」を斎行した事もあり、天神祭は国外でもその名を知られるようになり、今では海外からも多くの観光客が訪れるお祭りとなっています。「水都大阪」で行われるこのお祭は、愛染祭、住吉祭と共に「大阪三大夏祭り」のひとつにも挙げられています。ここでしか見ることができない特徴的な神事や祭事を見るために、毎年国内外から大勢の観光客が押しかけるお祭りとなっています。
天神祭 大阪天満宮 の見どころ
祭りの本番は24日と25日ですが、名物「ギャルみこし」は宵宮の前日23日に行われます。可愛い赤白青のハッピを着た女性達が200キロの神輿を元気いっぱい担ぐ姿を見てください。巡行は主に天神橋筋扇町交差点から大阪天満宮の間を数時間にわたって練り歩きます。巡行の後には「ミスギャルみこし」の選考があり、選出者は25日の船渡御にも乗船して華を添えます。
宵宮の早朝は、天満宮境内での「催太古一番太鼓」と「地車囃子一番鉦」で厳かに幕を開けます。ここで注目すべきは「龍踊り」。龍が天に昇る様子を全身の動きで表現する特徴的な踊りで、その動きから「蛇踊り」とも呼ばれます。龍踊りは船渡御の奉拝船の船上で披露される事もあります。しかしこの日のメインは、やはり天神祭の起源となった「鉾流神事」でしょう。この儀式では、まず大阪市中央公会堂の側の鉾流橋付近で、巫女の舞などによる「水無月祓(みなづきはらえ)」という神事を行ってから神童と神職、楽人の3人が舟に乗って大川に出ます。そして神童が「斎船(いつきぶね)」と呼ばれる小舟から邪気払いの白木の神鉾を川に流し、安全を祈願します。この日には「水上薪能(すいじょうたきぎのう)」があり、舞台線「能船」の上で能の舞が披露されます。夜の「催太鼓宮入」では、真紅の投げ頭巾を被りシーソーのように揺れる太鼓台の上で豪快に太鼓を叩く男達が目を引きます。彼らは「願人(がんじ)」と呼ばれ、その「からうす」という独特な催し太鼓の演奏法は大阪府の無形民俗文化財にもなっています。
本宮の「陸渡御」では、大阪天満宮から「船渡御」の乗船場までの約3kmの道のりを総勢3,000人の大行列が御神輿に同伴します。色とりどりの装束の大行列は、催し太鼓を先頭に猿田彦(さるたひこ)、采女(うめね)、風流花傘、猩々山車(しょうじょうだし)、牛曳童子(うしひきどうじ)等の多彩な第一陣、そして御羽車(おはぐるま)や御鳳輦の厳かな第二陣、玉神輿と鳳御輿(おおとりみこし)の絢爛豪華な第三陣で構成されています。全て見応えがありますが、特に天神祭ならではなのが、獅子舞・傘踊り・四つ竹・梵天のパフォーマンス。竹を合わせて鳴らす「四つ竹」という名の楽器は、天神囃子で使われる名物楽器で、参加者がそれぞれ竹を割って作るそうです。
「陸渡御」を終えた一行は天神橋から乗船し飛翔橋へ向かって7kmの航路を進みます。船は道真公の御神霊を乗せた「奉安船(御鳳輦、御羽車、鳳神輿、玉神輿)」、催太鼓船や地車囃子船などの「供奉船(ぐぶせん)」、御神霊をお迎えする「御迎船(おむかえぶね)」、協賛団体や市民船などの天神さまを歓迎する「奉拝船(ほうはいせん)」の4種類に分かれています。他にも、どんどこ船、落語船や歌舞伎船など祭りを盛り上げるために自由に運行できる「列外船」や、神楽や能を奉納する「舞台船」があります。船渡御の途中、奉安船では厳かに「船上祭」が執り行われ、舞台船や供奉船から神楽や囃子が奉納されます。
船が行き違う時には「大阪締め」という手うちが行われるので、掛け声と共に覚えておきましょう。「打ちましょ」パンパン「もひとつせー」パンパン「祝(いお)うて三度」パパンがパン!です。奉拝船に乗船する時には練習がありますが、陸で観覧している時でも「お手を拝借」と言われたら一緒にやってみましょう。
「奉納花火」の打ち上げが始まると、祭りはクライマックスを迎えます。水中花火や文字花火などの仕掛け花火、恒例の新作打ち上げ花火、ここでしか見られない大阪天神祭オリジナルの「紅梅」など華麗で見応えのある花火が見られます。
歌舞伎や能楽を題材にして作られた大きな歓迎人形は、大阪府有形民俗文化財になっています。昔は町中や「御迎船」に飾られていた人形ですが、現在は祭り期間中、大阪天満宮の境内や帝国ホテルのロビーに数体展示されるので、是非足を運んでみてください。
天神祭 大阪天満宮 の注意点
会場へのアクセスですが、当日の会場周辺ではかなり広範囲の交通規制があり、駐車場の確保も難しいので電車での移動をお勧めします。
大阪天満宮へ行く場合は、JR東西線の「大阪天満宮駅」、天神橋筋商店街へ行くには、地下鉄堺筋線・谷町線「天神橋筋六丁目駅」かJR環状線「天満駅」、陸渡御の観覧には、地下鉄御堂筋線「淀屋橋駅」や京阪本線「北浜駅」、船渡御の観覧には、京阪本線「天満橋駅」の利用が便利です。いずれの会場も通常時で徒歩3~10分程度ですが、祭り当日は多めに考えてください。
奉納花火の観覧には、東岸エリアだとJR環状線「桜ノ宮駅」が最寄りですが大変混雑するので、同じ環状線の「天満駅」や「京橋駅」で下車するか、京阪本線「天満橋駅」、東西線「大阪城北詰駅」等を利用してポイントまで歩いた方が早いかもしれません。西側エリアへはJR東西線「大阪天満宮駅」か環状線「天満駅」、堺筋線「扇町駅」等から行くといいでしょう。源八橋へは環状線「桜ノ宮駅」、川崎橋へは東西線「大阪城北詰所」、都島橋と飛翔橋へは、地下鉄堺筋線・谷町線の「都島駅」か「天神橋筋六丁目駅」が最寄り駅です。いずれの場合も駅からポイントまで徒歩5~15分の距離ですが、花火打上げ前後は2~4の時間がかかると考えましょう。
天神祭での混雑は避けられないので、少し離れた駅で降りて会場周辺に立つ数多くの屋台を楽しみながら歩いて行くのがいいと思います。天神祭の屋台では、縁起物の「白蒸し」とハモ料理は是非食べておきましょう。通常、屋台で買う食べ物は高いですが、ここの商店街に立つ屋台の相場は安いので、飲み物などの調達に便利です。
人混みを避けて「陸渡御」「船渡御」「奉納花火」をゆっくり満喫したいという人には、有料観覧席の購入をお勧めします。「陸渡御特別観覧席」は「なにわ橋」、「奉納花火特別観覧席」は「OMM21階屋上」に設置されます。「桜ノ宮船渡御観覧席」と「天満橋船渡御観覧席」からは、船渡御と奉納花火の両方が楽しめるのでお得です。観覧席によって料金、お弁当やガイドの説明、特典(ガイドブック、オリジナルグッズ等)の有無などが異なるので事前に確認しましょう。
船から観覧したい場合は、大阪府旅行業協会や旅行会社各社が発売する「船上観覧チケット」を購入してください。チケットの販売時期、料金、乗船場所は船によって変わるのでご注意ください。基本どの乗船チケットにもお弁当やお茶はついています。プランによっては乗船料金に鰻弁当、ビールやおつまみ、記念品、飲み放題などが含まれています。「御錦蓋講」が販売する御神具をのせた供奉船だと、ガイドの説明、巫女舞や神楽、お楽しみ福引も楽しめます。「協同組合大阪府旅行業協会」主催の船では講社オリジナル半纏や手ぬぐい等がもらえます。簡易トイレや船内販売の有無、飲食物の持込みや小学生以下の乗船の可不可など船によって異なるので、チケット購入の際に必ず確認してください。
船渡御中、御神霊が乗った「御鳳輦奉安船」が通過する時は沈黙するのが習わしなので騒がないようにしましょう。橋の上から船渡御を観覧する時、各橋の手すり部分にかかっている青と白の布は「その下を神様が通るので見下ろさないように」という印なので注意してください。
天神祭は7月下旬の開催なので日中に広範囲の移動をする場合は、日差し予防、水分や塩分補給など、熱中症予防の対策はしっかり行ってください。天神祭の神事や祭事に参加するためには講に所属するのが基本ですが、アルバイトやボランティアとして参加する方法もあるので、興味のある人は是非調べて参加してみてください。その他天神祭については、大阪観光局が作成し、無料配布している冊子もあるので機会があったら是非入手しておきましょう。
お勧め観覧ポイント
天神祭では広範囲で同時多発的にイベントがありどこも混雑するので、優先順位をつけずに全てを見ようとすると、中途半端で終わってしまう可能性があります。見たい物の場所や移動時間を考えて行動するのがいいと思い
祭り有名番付
その他呼び名 | 日本三大祭 大阪三大祭 日本三大船祭 |
---|
※祭りびと制作委員会による独自評価。対象となる祭りがどのくらい知名度があるか全国調査により格付け。
祭り要素
祭り評価
※祭りびと制作委員会による独自評価。各項目毎★5つが最高評価。☆は詳細が不明のため評価なし。
祭り日程 2018
4:00~4:30 一番太鼓
7:45~8:30 宵宮祭
8:30~8:50 鉾流行列参進
8:50~9:30 鉾流神事
11:00~11:30 行宮祭
11:30~12:00 山蔭流儀式庖丁奉納
12:00~12:30 天神講獅子 獅子舞
16:00 催太鼓氏地巡行
16:15 どんどこ船宮入 鉾流神鉾奉還
18:40 水上薪能
19:00~20:00 催太鼓宮入
19:30~20:30 獅子舞宮入
7月25日 13:30~22:00
13:30~14:00 本宮祭
14:15~15:00 神霊移御
15:30~18:00 陸渡御列出発
17:30 船渡御列出発
18:00?21:00 船渡御
19:30 船上祭
19:30~20:50 奉納花火
21:00~21:30 催太鼓の宮入り開始
22:00~23:00 還御祭
祭りを見る&祭りに参加する
観覧料金 | 無料(一部有料あり) | 参加料金 | 無料 |
---|---|---|---|
観覧予約 | 当日予約可 | 参加予約 | 当日予約可 |
プランにより販売店、価格が異なる。
船渡御の乗船チケットも販売あり。
神輿の担ぎ手は商店街へ問合せ。
篠笛・獅子舞、傘踊り、清掃ボランティアは大阪天満宮社務所へ問合せ。
奉納花火の協賛を募集。
一発5000円の協賛で花火玉のレプリカがもらえ、境内に名前が掲げられる。
大阪天満宮社務所まで申込。
来場者層
アクセス
住所 | 大阪府大阪市北区天神橋2-1-8 大阪天満宮・大川周辺 |
---|---|
交通アクセス | JR東西線「大阪天満宮駅」から徒歩3分 |
駐車場
駐車場 | 無し |
---|
祭り問合せ
主催 | 大阪天満宮 |
---|---|
公式URL | http://www.tenjinsan.com/saiji/tjm.html |