時代祭
明治時代に、平安神宮の創建と平安遷都1100年祭を盛大に祝った行事が起源です。山国隊の奏する笛、太鼓の音色を先頭に、約2000人が都大路を行列し、明治維新からさかのぼって平安朝にいたる各時代の風俗絵巻が見られます。
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時代祭の歴史
鎧兜の武将や雅やかな貴族、様々な装束の女官達、まるで時代絵巻のような豪華絢爛な大行列。時代祭では総勢2,000人あまりの歴史上の人物が牛馬と共に、京都御所から平安神宮までを3時間に渡って練り歩く「風俗時代行列」が見られます。行列は8つの時代(明治維新~延暦時代)を遡り、最後に平安神宮の祭神「桓武天皇」と「孝明天皇」が載る御鳳輦の「神幸列」、及び「弓箭組列」の順で編成されたもので、長さは約2kmにも及びます。各時代の衣装、祭具、調度品は、識者によって綿密な時代考証を重ねられ、京都の工匠によって当時の素材や技術を使って再現されています。
時代祭は1895年(明治28年)から行われているお祭りで、平安神宮の創建と平安遷都1100年を奉祝する行事として、桓武天皇が794年(延暦13)に平安京に都を移された日である10月22日に行われています。この祭りは、京都市民で構成される「平安講社」という氏子組織によって運営されており、「京都を置いて他には真似できないもの」を考えて京都人が誇りと心意気で作り上げたお祭りです。時代祭りは、同じ京都三大祭の「祇園祭」や「葵祭」よりも歴史が浅いですが、京都市民が身近に感じるお祭りだと言えるでしょう。また、その見た目の豪華さや「日本史の縮図が目の前で見られる」と外国人にも非常に人気が高く、海外からの観覧者も多い祭りです。
時代祭の見どころ
時代行列で最も重要なのは、桓武天皇・孝明天皇のご神霊を御鳳輦でお運びする「神幸列」です。時代行列はこの「神幸列」にお供をする形で京都御所の建礼門前を12時に出発し、平安神宮に向かいます。その後、建礼門前、堺町御門、鳥丸丸太町、鳥丸御池、河原町御池、河原町三条、三条大橋、三条神宮道を通り、14時半頃に平安神宮に到着します。
時代祭を観覧する時に注目したい点は、その時代毎に異なる仮装でしょう。まず行列を先導するのは「京都府警平安騎馬隊」です。「検非違使(けんびいし):平安時代に治安維持を務めた官職」をイメージした西陣織仕立ての衣装で行列を警備します。【明治維新時代】の「維新勤王隊列」では、鼓笛隊を先頭に「山国隊」が官軍に参加した当時の出で立ちで進みます。続く「維新志士列」では、明治維新で活躍した坂本龍馬や西郷吉之助を含む14人の志士達が「七卿落ち列」と共に次々登場します。【江戸時代】の「徳川城使上洛列」では、「槍持」の投げ渡しや「傘持」「挟箱持」の掛け声にも注目してください。「江戸時代婦人列」で一際目を引くのは、徳川家茂の正室「和宮」の「五衣・裳・唐衣」を重ねた「十二単」や婦人達の地髪を結った見事な髪型です。そして【安土・桃山時代】の「豊公参朝列」では、牛車が登場します。「織田公上洛列」では天下の「織田信長」の堂々とした姿が見られますが、「羽柴秀吉」は牛車の中にいます。2007年に追加された【室町時代】の「室町幕府執政列」で足利将軍に後続する公家、法中、御博士、医師は他の列では見られない役職です。「室町洛中風俗列」で再現される「風流踊り」は、盆踊りの原型と言われるものです。【吉野時代】の「楠公上洛列」では、忠義の武将「楠木正成」の甲冑や武具、「中世婦人列」では、豊臣秀吉の側室「淀君」や、職業集団「大原女」や「桂女」に注目してください。【鎌倉時代】で、当時の武士の嗜み「城南流鏑馬(やぶさめ)列」が通過した後は【藤原時代】です。平安時代ずっと隆盛を極めた藤原氏一門の「藤原公卿参朝列」が通過すると「平安時代婦人列」が華やかに登場しますが、その中でも「清少納言」の十二単と「小野小町」の平安初期の装束は必見です。この「平安時代婦人列」は、京都の5花街の内の3花街の芸妓が輪番で奉仕しています。ラスト【延暦時代】の「延暦武官行進列」では、輝く甲冑や直刀の「坂上田村麻呂」、そして「延暦文官参朝列」では、行列の最高位で平安神宮で御鳳輦に祭文を献上する役目の「三位」を見て時代の逆行は終了です。最後を飾る【神幸列】では、「神饌(しんせん)講社列」、雅楽の「前列」、「御賢木(おんさかき)の後、孝明天皇の御鳳輦(ごほうれん)、桓武天皇の御鳳輦が登場するので見逃さないようにしましょう。その後「白川女献花列」の「弓箭(きゅうせん)組列」が続き、長い大行列が終わります。
時代祭の注意点
時代祭をより楽しむためには、最小限の歴史の復習をしてから臨みましょう。各行列の衣装や時代背景、行列の順番などが詳しく載っているパンフレットが沿道で売られているので、それを見ながら鑑賞するのもおすすめです。
行列の見学は交通規制や渋滞を考えると移動はせずに、一定の場所で全行列を観覧するのがいいでしょう。観覧ポイントはコース上のどこでも可能ですが、京都御所か平安神宮のいずれかをお勧めします。早めに場所を確保できなかった場合は、広い御池通なら途中からでも充分見られると思います。先頭から最後尾まで見終わるのに2時間以上はかかるので、じっくり座って見るのがいいかもしれません。有料観覧席は「京都御苑席」「御池通席」「平安神宮道席」の3ヶ所です。一般席は全席指定でパンフレット付きです。「御池通」に限り「時代祭まなび席」という席があり、イヤホンガイドを通して専属ガイドによる解説を聞きながら観覧できます。外国人観光客のために英語解説付きの席もあります。いずれのチケットも8月下旬頃から販売されます。雨天順延は当日早朝に公式サイトなどで発表され、翌日に順延となります。その際、有料観覧席券はそのまま使えますが払い戻しはできないので、それも考慮して日程を計画しましょう。なお観覧席へは、先頭通過予定時刻の30分前までに到着するようにした方がいいです。写真撮影の際ですが、フラッシュをたいて牛馬を驚かせないよう気をつけてください。牛馬の写真を撮りたい場合は、応天門前に置かれた牛舎に行くのが良いでしょう。行列の主役達も、巡行前でも気軽に撮影に応じてくれるでしょう。当日の朝、衣装をまとった人々がお披露目を兼ね学区内をまわることがあるのですが、もし遭遇できたら一緒に撮影できるかもしれませんね。
車で移動する場合は、市内の交通規制にご注意ください。平安神宮の目の前の岡崎駐車場等は入場できない時間帯があるので、少し離れていますが鴨東駐車場または円山駐車場など利用するのもいいでしょう。地下鉄で京都御所に行く場合は「今出川駅」や「丸太町駅」から徒歩5分です。京都御苑で見物してから平安神宮に向かう時は、地下鉄鳥丸線の「鳥丸丸太町駅」から乗車し、「鳥丸御池駅」で東西線に乗り換えて「東山駅」で下車するのがいいでしょう。バスは交通規制があるので、あまりおすすめできません。
穴場の観覧スポットは、1.御池通と河原町通が交差する京都市役所付近(13時頃)だと、車両通行止めになる少し前に行けば最前列で見ることができます。2.三条通り東山駅付近から平安神宮手前にある神宮通周辺は、道が狭くなり間近で見られます。3.鳥丸御池辺りでは、辻回しで隊列が止まるのでゆっくり見ることができます。4.三条通の東山駅周辺は沿道も空いているそうです。もし時代祭に行けなかったら、神宮道付近の行列の様子は生中継で見ることができます。
祭り有名番付
その他呼び名 | 京都三大祭り |
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※祭りびと制作委員会による独自評価。対象となる祭りがどのくらい知名度があるか全国調査により格付け。
祭り要素
祭り評価
※祭りびと制作委員会による独自評価。各項目毎★5つが最高評価。☆は詳細が不明のため評価なし。
祭り日程 2018
7:00 時代祭
8:00 神幸祭
9:00 神幸列進発
10:30 行在所祭
12:00 行列進発
16:00 大極殿祭並還幸祭
祭りを見る&祭りに参加する
観覧料金 | 無料(一部有料あり) | 参加料金 | 無料(一部有料あり) |
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観覧予約 | 当日予約可 | 参加予約 | 当日予約可 |
一般席 2,050円(全席指定・パンフレット付 )
設置場所・通過時間
京都御苑 (正午頃)
御池通 (午後1時頃)
平安神宮道 (午後2時20分頃)
来場者層
アクセス
住所 | 京都府京都市左京区岡崎西天王町97 平安神宮 |
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交通アクセス | 京都市営地下鉄東山駅→徒歩10分(平安神宮) 京都市営地下鉄丸太町駅→徒歩10分(御所) 名神高速道路「京都東インター」より約20分 |
駐車場
駐車場 | 有料 |
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祭り問合せ
主催 | 平安神宮 |
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公式URL | http://www.heianjingu.or.jp/festival/jidaisai.html |