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葵祭

京都三大祭の一つで、下鴨神社と上賀茂神社の例大祭です。平安貴族の衣装をまとった斎王代、検非違使など500余名、馬、牛、牛車、輿の全長700mの行列が、京都御所より下鴨神社さらに上賀茂神社へと向かいます。各神社では神馬の引き回しや舞楽などを奉納する「社頭の儀」が行われます。


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葵祭の歴史

葵祭は5月に行われる上賀茂神社と下鴨神社の例祭で「京都三大祭」の一つになっています。正式には「賀茂祭」といい、平安時代の朝廷行事として行われていた頃と変わらない平安貴族の姿で長い列をつくり、京都御所をから下鴨神社を通り、上賀茂神社へと向かいます。
平安時代は「祭り」といえばこの賀茂祭を意味していました。鎌倉時代から衰え、一旦は姿を消したお祭りですが、江戸の元禄期に再興され、列を作る牛車や人々の冠、牛馬全てをフタバアオイを桂の枝に絡ませた葵鬘で飾るようになったため、そのころから葵祭と呼ばれるようになりました。
この祭りの舞台となる上賀茂神社と下鴨神社は賀茂大神とも呼ばれ、元々は賀茂氏の氏神を祀る神社です。欽明天皇(540 ~571年)の時代に、凶作による飢餓疫病が流行したため、天皇が賀茂大神を信仰する勅使をつかわして祭礼を行い人々を救ったという逸話が元になっています。819年には朝廷による国家行事になりました。長い行列の本来の目的は勅使が下鴨、上賀茂の両神社で天皇の祝詞を読み、お供えをすることにあります。
祭りは宮中の儀、路頭の儀、社頭の儀がありますが、今は路頭の儀と社頭の儀が行われています。
路頭の儀では検非違使、内蔵使、山城使、馬、牛車、風流傘、斎王代など歴史絵巻を見ている様な平安貴族の優雅な列が京都御所を出発し、下鴨神社へ向かい、その後に上賀茂神社へと向かいいます。
社頭の儀は、行列が両神社へ到着した際に、それぞれ勅使が御祭文を奏上、御幣物を奉納した後に、神馬を牽き回し、「東遊(あずまあそび)」の舞を奉納します。


葵祭の見どころ

行列は馬に乗った男性が中心に作られた本列と、女人列という斎王代を中心とた女性の斎王代列とに大きくわかれます。
本列は乗尻(のりじり)という騎馬が先頭になります。つづいて平安時代の警察である検非違使志(けびいしのさかん)、検非違使尉(けびいしのじょう)、山城国を収める役人と従者の山城使(やましろつかい)と、次々に色とりどりの装束を身にまとった平安時代の役人と馬、牛車が続きます。
斎王代列は花傘をさしかけた命婦(みょうぶ)食事を担当する女嬬(にょじゅ)に続き、この祭りでの重要な役割を担う十二単(じゅうにひとえ)を着た未婚女性がつとめる斎王代(さいおうだい)が登場します。続いて馬に乗った巫女の騎女(むなのりおんな)、雅楽を演奏する文官などが続くきらびやかな行列です。
斎王代は毎年選ばれる葵祭のヒロインでもあり、毎年注目の的となっています。
葵祭は沢山の前儀も要チェックです。
葵祭の道中の安全を祈願するための「流鏑馬神事」は下鴨神社にある太古の森、糺の森(ただすのもり)にある馬場で、公家の装束を着た射手が疾走する馬上から的を射る儀式です。流鏑馬は全国各地で行われていますが公家装束を着た流鏑馬というのはこの葵祭の流鏑馬神事ならではで、美しい馬に颯爽とまたがった射手が「陰陽」を意味する「イン、ヨー」のかけ声のもと矢を射る迫力のある姿は一見の価値があります。的に見事に的中すれば、五穀豊穣や願い事が叶うと言われています。
葵祭には馬にまつわる行事が多く、舞楽装束をまとった騎手が境内の馬場で早さを競う「競駈(きょうち)」をおこない馬の優劣を決める儀式「賀茂競馬(かもくらべうま)」も重要な儀式です。
賀茂競馬に先立って馬の走る組み合わせや優劣、健康状態を見るために行う行事は「賀茂競馬足汰式」といいます。これも烏帽子に浄衣の装束を着た騎手が馬に乗って疾走する姿が颯爽としていて美しい行事です。この儀式は京都市無形文化財にも登録されています。
他にも上賀茂神社では雅楽の音が響く中、十二単姿の斎王代(さいおうだい)と、女人列に参加する女性達が御手洗池に手を浸し、身を清める儀式である「斎王代禊の儀(さいおうだいみそぎのぎ)」や、葵祭で通る沿道を弓で清める「歩射神事(ぶしゃしんじ)」、下鴨神社で比叡山山麓の御蔭山から神霊を迎える古代からの儀式である「御蔭祭(みかげまつり)」など、沢山の行事が行われます。
葵祭の終了後の後祭としては、下賀茂神社で祭りが無事執り行われたことを感謝する「献茶祭」が行われます。境内には茶席も設けられ、一般の人もいただくことができます。


葵祭の注意点

長い距離に渡る行列ですので、どこで見るかをまず決めることが必要です。御所と上賀茂神社は近いので、御所と上賀茂神社を中心に見るか、または下鴨神社で見るかをまず決めておきましょう。
社頭の儀と路頭の儀を近くからみたい人は下鴨神社の糺の森がおすすめです。
場所取りをする場合、最前列を確保するには1~2時間前から行くことをおすすめいたします。御所の出口近辺などは比較的確保しやすい地点です。バスの交通規制もしかれるので、早めに着くようにしましょう。
京都御苑と下鴨神社参道には前売りでの有料観覧席もあります。チケットを持っていても行列が通る時刻になると着席出来なくなってしまうので利用する人は早めに現地へ行くようにしましょう。
当日は非常に混雑します。京都御所から出発する前半ルートは特に混み合います。有料観覧席付近は特に立ち見では見づらいでしょう。ここでは傘の使用も基本できません。
後半の下鴨神社から上賀茂神社への行列の方が人が比較的少なくなるのでその時間が狙いめです。落ち着いて近くから観覧したい人は鴨川の沿道をおすすめします。
交通規制がかかりますので、車での来場は避けた方がベストです。周辺の民間駐車場も非常に駐車場代が高くなっています。
またタクシーやバスもルートが変わる関係から渋滞が予想されるので電車や地下鉄を利用しましょう。


祭り有名番付

大関クラス
その他呼び名京都三大祭
賀茂祭

※祭りびと制作委員会による独自評価。対象となる祭りがどのくらい知名度があるか全国調査により格付け。


祭り要素

伝統・祈願
踊り・神輿

祭り評価

歴史アイコン
歴史
★★★★★
ビジュアルアイコン
ビジュアル
★★★★
屋台アイコン
出店
★★★
環境アイコン
環境
★★★★
アクセスアイコン
アクセス
★★★

※祭りびと制作委員会による独自評価。各項目毎★5つが最高評価。☆は詳細が不明のため評価なし。

祭り日程 2018

2018年5月15日
日程・概要5月15日 10:30 京都御所出発、11:40下鴨神社到着、15:30 上賀茂神社到着


祭りを見る&祭りに参加する

祭りを観覧する 祭りに参加する
観覧料金 無料(一部有料あり) 参加料金 無料(一部有料あり)
観覧予約 当日予約可 参加予約 当日予約可
観覧に関する詳細 有料観覧席(京都御所・下鴨神社):一般席 2700円/葵祭まなび席 5000円/葵祭ロイヤルシート 7000円/英語解説付き席 3700円 ※販売方法など詳細は京都観光協会HP参照(https://www.kyokanko.or.jp/aoi/kanran.html)
上賀茂神社有料席:1000円、当日販売のみ

来場者層

おひとり様
おひとり様
家族
家族
カップル
カップル
友達
友達
来場者数 80000人

アクセス

住所 京都府京都市上京区~左京区~北区
交通アクセス 京都御所:地下鉄烏丸線「今出川駅」から徒歩5分、市バス「烏丸今出川」下車徒歩5分
下鴨神社:京阪電鉄「出町柳駅」より徒歩10分、市バス「下鴨神社前」または「糺ノ森前」下車すぐ
上賀茂神社:地下鉄烏丸線「北山駅」または「北大路駅」より徒歩30分、市バス「上賀茂神社前」下車すぐまたは「上賀茂御園橋」下車徒歩3分または「御園口町」下車徒歩1分

駐車場

駐車場 京都御所:有料 210台
下鴨神社:有料 300台
上賀茂神社:有料 170台

主催 下鴨神社、上賀茂神社
公式URL https://www.kyokanko.or.jp/aoi/index.html

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