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鍋冠祭

米原市朝妻の筑摩神社の春の祭礼として毎年5月3日に行われ、狩衣姿に黒い張子の鍋を冠った8歳前後の少女8人が、約300名の行列と共にお旅所から神社まで練り歩きます。日本三奇祭に数えられ、米原市無形民俗文化財に指定されています。


鍋冠祭のトップ画像
出典:https://news.mynavi.jp/article/20130425-a211/

鍋冠祭の歴史

笛太鼓の音の中、琵琶湖畔の街道を平安装束に身を包まれ頭に鍋を被ったあどけない少女たちが進んでいく。これは「日本三奇祭」のひとつ「鍋冠祭」と呼ばれる神道のお祭りです。平安時代から伝わる由緒ある祭りで、毎年5月3日に筑摩神社の春の祭礼として行われています。
狩衣姿(かりぎぬすがた)に黒い張子の鍋を冠った8歳前後の8人の少女達を含む大行列が、御旅所から1km離れた筑摩神社までを練り歩きます。
この祭りの由来は諸説ありますが、筑摩神社の祭神が、主祭神の御食津大神(みけつのおおかみ)を始め・宇迦之御魂神(うかのみたまのかみ)・大年神(おおとしのかみ)といずれも食物を司る神々であること、そして、筑摩の地に平安時代に宮内省内膳司に属する筑摩御厨(ちくまみくりや)と言う宮中の食物を司る機関があったから、という説が有力です。当時、神前に農作物、魚介類などを供えると共に、「近江鍋」と呼ばれた特産の土鍋を贖物(あがもの・身の穢れを代わりに負わせる具)として川に流していたことが、祭りの原型になったのではないかと考えられています。始めは鍋に供物を入れて頭上にかかげ、神前に運んで供える形だったのが、時代の流れで鍋を頭に被るようになったのでしょう。
筑摩神社に伝わる「筑摩大神之紀」に記された中に「鍋冠は十五歳未満の少女をもってこれを役とす、若しその中に犯淫の輩在るときは、必ずその鍋落ちて発覚す」とあり、古来より女性の貞操を重んじる祭りとして知られています。
以前は数え年8歳の女の子だけだったのですが、少子化により小学校1年生から5年生の少女達から選ばれるようになりました。
「伊勢物語」で平安貴族達にも詠まれた「筑摩祭り」は、現在「鍋冠祭」という名で知られ、米原町の無形民俗文化財に指定されています。


鍋冠祭の見どころ

祭りの日には全国各地から、緑の狩衣に緋色の袴を身につけた雅やかな少女達の姿をカメラに収めようと、「なべかまの里」を訪れます。
祭礼の渡御は、筑摩・上多良・中多良・下多良の四つの字の氏子によって行われます。総勢二百余人にのぼる華やかな一行は14時頃に筑摩の御旅所を出発し、16時頃に筑摩神社の本殿に参進します。行列には鍋・釜をかぶった少女達の他、鉾、猿田彦、神楽獅子、列太鼓、母衣武者(ほろむしゃ)、神鏡、青竹、先箱、長刀、金棒、楽人、榊、神官、唐櫃(からびつ)、御鳳輦(ごほうれん)、曳山などが列なります。彼らが身につけた優雅な衣装や手にした小道具は30にも及ぶ役割ごとに異なります。祭りの主役は何と言っても8人の少女達ですが、神鏡人の少女達も可愛らしく、武者姿の男児達もとても絵になります。
少女達が被る鍋は、竹の骨組みに和紙を貼って柿渋を塗った「一閑帳」と呼ばれる張り子でできています。よく見ると底に三足がついた鍋を被った少女は4人、残りの4人は足なしの釜を被っています。この祭りが別名「鍋釜祭り」と呼ばれる所以でしょう。
当日12時頃から始まる筑摩蓮沼会館での衣装の着付けは一般公開されていて、小学生の女の子達が平安貴族に変身していく過程を見ることが出来ます。早めに現地に着いた方は是非足を運んでみてください。


鍋冠祭の注意点

行列は数百メートルに渡り、御旅所から筑摩神社に向けてゆっくりと進んで行きます。湖岸道路沿いで待っていると視野が開けていて、琵琶湖を背景に行列を一望できるのでおすすめです。行列が通過する他の細い道も特に人混みはなく、幼い子達のための小休止も多いので、存分に写真を撮ることができます。ただ、稚児たちのアップ写真を撮らせてもらう時には、付き添いの親御さん達にひと声かけた方が無駄なトラブルを回避できます。

電車で行く場合は、JR東海道本線の米原駅が最寄り駅となります。筑摩神社はJR米原駅からタクシーで5分程度のところにあります。徒歩で行くと35分位かかります。駅前でレンタサイクルを借りると10分で行けますが、台数に限りがあるので早めに行った方がいいでしょう。車だと名神米原ICから10分位ですが、会場周辺には駐車場がありません。米原駅周辺にいくつもある有料駐車場を利用しましょう。

米原市にはリーズナブルな宿泊施設がいくつかありますが、祭りの日はGW真っ只中なので早めに予約しておいた方がいいでしょう。


祭り有名番付

関脇クラス
その他呼び名日本三奇祭

※祭りびと制作委員会による独自評価。対象となる祭りがどのくらい知名度があるか全国調査により格付け。


祭り要素

伝統・祈願
踊り・神輿

祭り評価

歴史アイコン
歴史
★★★★★
ビジュアルアイコン
ビジュアル
★★★
屋台アイコン
出店
★★
環境アイコン
環境
★★
アクセスアイコン
アクセス
★★★★

※祭りびと制作委員会による独自評価。各項目毎★5つが最高評価。☆は詳細が不明のため評価なし。

祭り日程 2018

2018年5月3日
日程・概要5月3日
12時ごろ 筑摩蓮沼会館で準備(公開)
14時ごろ 「筑摩のお旅所」を行列が出発
16時ごろ 筑摩神社の本殿に参進


祭りを見る&祭りに参加する

祭りを観覧する 祭りに参加する
観覧料金 無料 参加料金 無料(一部有料あり)
観覧予約 必要なし 参加予約 当日予約可

来場者層

おひとり様
おひとり様
家族
家族
カップル
カップル
友達
友達

アクセス

住所 滋賀県米原市朝妻筑摩1987
交通アクセス JR琵琶湖線「米原駅」から車約5分
名神米原ICから10分

駐車場

駐車場 無し

主催 鍋冠祭保存会(米原観光協会)
公式URL http://www.ex.biwa.ne.jp/~nabekama/

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