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おわら風の盆

おわら風の盆は旧町と呼ばれる東新町、西新町、諏訪町、上新町、鏡町、東町、西町、今町、下新町、天満町、福島を合わせた11の町で行われます。11の町が自主的に行っているのであまり全国には名が通っていませんが、おわらの良さが詰まった風情あるイベントです。メインイベントのおわら演舞場での演武会は迫力満点です。


おわら風の盆のトップ画像

おわら風の盆の歴史

おわら風の盆は、富山県にある八尾で長く続けられている祭りです。優雅な踊りは現代の時間の流れとは、どこか異なる緩やかさ、そして何故か物悲しい空気を漂わせています。毎年9月1日から三日間の間に、全国から25万人ほどの見物客が富山県八尾に集まるほど注目されている祭事です。通常の盆踊りとは違い、秋の空気を感じる赤い夕焼けに灯されるぼんぼりの風景は非常に幻想的です。秋に収穫する作物が風の被害にあわないように豊作祈願の思いを込めて祭りは行われています。その祭りを古来から風の盆と呼び、芸達者な人々が幸せな笑顔を意味する「おわらひ」という言葉が「おわら」と変遷したという説もあります。家族や親せき、同じ地域でともに暮らす仲間たちの暮らしの向上を願っていた昔の人の思いが「おわら風の盆」という祭りから感じ取ることが出来るでしょう。おわら風の盆を継承する町は一つではありません。それぞれの町が、受け継いできた伝統に個性を発揮して踊りや衣装に表しています。踊っている人、見物している人、同じ場所にいる人々が少しずつ、おわら風の盆の世界にのめり込んでいきます。その一体感はめったに味わうことが出来ません。


おわら風の盆の見どころ

おわら節という調べにのって繰り出される優雅な踊りと、耳に残る胡弓の対照的な光景こそ、おわら風の盆の見どころと言えるでしょう。非常に素朴な祭りとして知られていますが、これほど八尾や越中という地域の特徴や味わいを残している行事は珍しいです。300年に渡って継承されている民謡と踊りは、八尾や越中という場所に根付いている伝統にへの愛情や思い入れがなせる業に他ならないでしょう。おわら風の盆の民謡と踊りを支える音楽も味わい深く、竹で作られた繊細な楽器・胡弓の調べだけではなく、囃子や太鼓といったBGMにも耳を傾ける価値が十分にあります。おわら風の盆を楽しむのであれば、前夜祭も捨てがたいイベントです。毎年8月20日から10日間に、前夜祭が行われています。この前夜祭期間には、これまでの風の盆に関する上映会や、踊り方教室が開催されていることが多いです。この期間であれば、一般観光客の方でも踊りに参加できるという特徴があります。お土産もの売り場では、ちょっとした法被や衣装なども手に入るので、本番では味わえない空気や踊りを前夜祭で堪能することが出来ます。前夜祭と本祭を両方味わうことが理想的です。

本祭では、11支部ある各町内が所定のコースを踊りながら、それぞれの町流しを行います。それぞれの地域や家庭で伝承してきた衣装や飾りに身を包み、古代の雰囲気や声を伝えるように優雅で独特の時間を踊りで表現していることを見学者は体感します。女性は浴衣や着物に帯、笠を被ったいでたち、男性は腹掛け・股引きの上に法被や袢纏という姿でまとまっています。一糸乱れぬ動きは無駄な言葉を発せず、若者は若者なりの粗削りながらエネルギッシュな踊り、中高年の踊り手からは経験からくる落ち着いた空気をまとった踊りを目にすることができます。胡弓奏者の演奏も素晴らしく、見ていて飽きることがありません。しかし、本祭期間中の演舞場と呼ばれるメインステージでの踊りや演奏に参加する支部の時間は決まっていますので予めスケジュールと、午後5時から7時に定まっている踊り手たちの食事・休憩タイムなどもおさえておくと良いでしょう。


おわら風の盆の注意点

おわら風の盆は、趣がある素晴らしい祭事です。一度は目にする価値があるものですが、アクセス方法や宿泊に関しては注意することがあります。おわら風の盆が開催される八尾はそんなに大きなエリアではありません。少し離れた駐車場からシャトルバスで、風の盆が執り行われる会場まで行くことになります。最寄りのスポーツ施設である八尾スポーツアリーナと、八尾ゆめの盛テニスコートで駐車場が用意されていますが、満車になりやすく渋滞が発生します。かなりの混雑を予測して、時間に余裕をもってアクセスすることがオススメです。数日間八尾に滞在して、おわら風の盆を楽しむ場合にもホテルや旅館などは予約を少しでも早く行うことが重要です。大きくはないエリアである八尾では、十分な人数が泊まれる宿泊施設が少ないというデメリットがあります。かなり早めに予約する必要がありますし、繁忙期ということもあるので通常より宿泊費が高いということも念頭に置く必要があります。同様に食事をする施設の確保も欠かせません。おわら風の盆は、一見すると手間がかかるお祭りというイメージがあります。しかし毎年混雑するということは、それを覚悟してでも目にしたいリピーターが多いイベントだと言えるでしょう。


祭り有名番付

大関クラス

※祭りびと制作委員会による独自評価。対象となる祭りがどのくらい知名度があるか全国調査により格付け。


祭り要素

伝統・祈願

祭り評価

歴史アイコン
歴史
★★★
ビジュアルアイコン
ビジュアル
★★★
屋台アイコン
出店
★★★
環境アイコン
環境
★★
アクセスアイコン
アクセス
★★★

※祭りびと制作委員会による独自評価。各項目毎★5つが最高評価。☆は詳細が不明のため評価なし。

祭り日程 2018

2018年9月1日~3日
日程・概要演舞会 9月1日~3日  19:00~20:55
輪踊り・町流し 9月1日~2日 15:00~23:00、9月3日 19:00~23:00
おわら踊り方教室  9月1日~3日 14:00~16:00


祭りを見る&祭りに参加する

祭りを観覧する 祭りに参加する
観覧料金 無料(一部有料あり) 参加料金 無料(一部有料あり)
観覧予約 当日予約可 参加予約 当日予約可
観覧に関する詳細 ○おわら演舞場チケット
指定席3,600円、自由席2,100円
店頭での直接購入か電話・インターネットでの予約

来場者層

家族
家族

アクセス

住所 富山県富山市八尾町下笹原 八尾小学校グラウンド演舞場(雨天中止)、中心部11町内(降雨時中断)
交通アクセス 電車:JR高山本線「越中八尾駅」から徒歩40分
車:北陸道富山ICから国道41号経由12km25分
   北陸道富山西ICから国道472号経由12km25分

駐車場

駐車場 有り 1700台(運営協力金1台1000円)

主催 おわら風の盆行事運営委員会
公式URL http://www.yatsuo.net/kankou/

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