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三社祭

浅草神社の祭礼で「江戸三大祭り」の一つです。1万人以上の担ぎ手による威勢のいい氏子神輿大小100基の渡御、本社神輿の宮出しが最大の見どころです。都の無形民俗文化財「びんざさら舞」やお囃子屋台が浅草の街を巡行する大行列やお祭り広場も楽しめます。


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三社祭の歴史

「三社祭」と書かれた風流な軒提灯が吊るされた初夏の東京下町。氏子衆の「エッサ!オイサ!」という威勢のいい掛け声に乗って荒々しく揺れ進む神輿の数々。通称「三社祭」で知られるこの祭りの正式名称は「浅草神社例大祭」です。これは東京都台東区にある浅草神社で毎年5月17・18日に近い金土日の3日間に渡って行われる歴史のある祭礼です。三社祭は氏子44カ町と浅草組合で構成される浅草神社奉賛会によって運営されています。

三社祭は今では浅草神社が執り行う祭礼ですが、その起源は浅草寺と深い関わりを持っています。飛鳥時代、推古天皇36年(628年)、漁師の檜前浜成(ひのくまはまなり)と竹成(たけなり)の兄弟が隅田川下流で網にかかった像を地元の識者、土師真中知(はじのなかとも)」に見せたところ「聖観世音菩薩像」だと判明し、後に出家した土師が自宅に観音像を祀った事から浅草寺の歴史が始まりました。その後、土師の子孫が観音様の夢告によって3人を祭神とした「三社権現社」としたのが浅草神社だと言われています。浅草神社のシンボルマークはその3人の家紋から来ているそうです。三社祭の最古の記述としては、正和元年(1312年)に行われた「舟祭」があります。江戸時代には「観音祭(浅草祭)」と呼ばれ、宮神輿3基が隅田川を遡上する「舟渡御」が行われ、各町内の氏子達は神輿ではなく山車や祭り屋台を出す祭礼でした。明治以降は神仏分離で「三社権現社」は「三社明神社」という名称で独立し、三社祭も執り行うようになりました。明治6年(1874年)には「浅草神社」と改名されましたが、氏子達には今でも「三社様」と呼ばれ親しまれています。現在の三社祭は神輿中心で、44カ町の氏子衆が100基あまりの神輿を担ぐ勇壮な「町内神輿連合渡御」と三社様をのせた3基の「本社神輿(浅草神社の神輿)の渡御」が有名です。

知名度が高く国内外の観光客が常に行き交う浅草ですが、三社祭の最中は更に大勢の祭り人達で埋め尽くされます。この祭りは「喧嘩祭り」や「入れ墨祭り」等と呼ばれることもあり、それに興味を持つ外国人観光客も多く訪れています。祭りの三日間、ハッピ鉢巻き姿の氏子衆の粋な江戸っ子魂と「神輿を担ぐ同好会」の熱い祭り魂がぶつかり合い、浅草の町は興奮の渦に包まれます。


三社祭の見どころ

初日に注目したいのは「大行列」です。お囃子屋台、金棒、鳶頭木遣り、びんざさら舞、芸妓連の手古舞、組おどり、白鷺の舞などで構成された大行列が浅草の町を練り歩きます。中でも艶やかな手古舞衣装の芸妓達や、優雅な白鷺の舞、びんざさら舞は必見です。「びんざさら舞」は、浅草神社の社殿と神楽殿で奉納される時にゆっくり見る事ができます。これは五穀豊穣・商売繁盛・子孫繁栄・悪霊退散を祈願して奉納される古式ゆかしい田楽舞で、国無形文化財にも指定されています。三社祭ではびんざさら舞と共に獅子舞が奉納されますが、ここでしか見れない貴重な神事なので見逃さないようにしましょう。神楽殿では他にも、巫女舞やくみ踊りの奉納が見られます。ただ、とても混雑するので予め観たい物を決めて移動するのがいいでしょう。

中日には「例大祭式典」の後「町内神輿連合渡御」が始まります。浅草寺の本堂裏広場に氏子44カ町内から約100基の神輿が集まり、浅草神社で一基ずつお祓いを受けてから勢いよく各町へ渡御して行きます。江戸風情の残る街をぎゅうぎゅう押し合う担ぎ手達が神輿を運ぶ姿は、とても豪快でまさに圧巻です。ここでは各町内の神輿が心意気をぶつけ合い競り合う迫力の場面も見られます。中には可愛らしい子供神輿も多数あります。神輿の装飾やハッピも町会ごとに違うので見比べてみてください。お勧めの観覧場所は、雷門から仲見世通りを通って浅草寺境内へ向かう部分ですが、最も混雑するポイントなので覚悟して臨みましょう。

最終日の早朝「本社神輿の宮出し」で祭りはクライマックスを迎えます。宮出しは氏子宮出しと一般宮出しに分かれますが、一般宮出しでの大勢の担ぎ手が神輿の担ぎ棒を激しく奪い合う様子は迫力満点です。一之宮「土師真中知命(はじのまつちのみこと)」、二之宮「檜前浜成命(ひのくまはまなりのみこと)」、三之宮「檜前竹成命(ひのくまたけなりのみこと)」の各神輿は、南、東、西の3つの地区に分かれて其々氏子各町内を渡御します。煌びやかな神輿が大勢の担ぎ手達にリレーされて各町会を渡御してゆく姿はとても華やかです。神輿を担いでいる時にわざと激しく揺さぶるのは「魂振り(たまふり)」と言って、神輿にのる神の霊威を高め、豊漁豊作、悪霊退散を願う意味があるそうです。神輿が渡御を終えて浅草神社に戻ってくる時、一基は雷門から残りの二基は浅草寺裏の浅草病院横から「宮入り」するので、宮出しの時ほど混雑なく神輿の姿を見る事ができます。


三社祭の注意点

浅草神社は浅草寺・二天門の傍にあります。場所がら車で行くと駐車場の確保が大変なので公共交通機関を利用するのがいいでしょう。最寄り駅は浅草駅ですが4路線あります。東武スカイツリーラインを使うと浅草神社まで徒歩約7分、東京メトロ銀座線の雷門通1番出口から雷門までは徒歩約2分、都営地下鉄浅草線だとA5出口を出て徒歩約7分、つくばエクスプレス浅草駅からは徒歩約8分です。都バスを使う場合は「浅草公園六区バス停」「浅草六丁目バス停」などで降りてください。「台東区循環バスめぐりん」を利用するのもいいですが、降車するバス停は路線によって異なります。祭り最終日には神社周辺で交通規制があり、バスなどは迂回運行になります。

祭りは初日から最終日にかけて見物客が増加していくので、人込みが苦手な方には初日に行く事をお勧めします。名物「大行列」は年によってルートが異なるので、事前にチェックしておきましょう。雨天時には大行列は中止になります。祭りの3日間は人込みを回避するのは難しく、特に中日と最終日の神輿の周りは大変混雑し、身動きがとれなくなる可能性があります。行く時は動きやすい服装、最小限の携帯品などを心掛けましょう。神輿に近づき過ぎたり、喧嘩している人や泥酔している人をジロジロ見たりも避けましょう。特にお子様連れの方は注意が必要です。神輿を上から見下ろすのも良くないとされています。

「混雑は嫌だがお神輿を一目見たい」という方は、浅草神社から離れた場所で神輿が通り過ぎるのを見るのがいいでしょう。各神輿が通るルートはHP等で事前に確認できます。「厳かな雰囲気が味わいたい」という方は、祭り前日の木曜日に行われる「本社神輿神霊入れの儀(ほんしゃみこしたまいれのぎ)」という三基の神輿に浅草神社の御霊を移す神事に行くのも良いでしょう。「お祭り気分を楽しみたい」という方には、最終日に開催される「お祭り広場」をお勧めします。雷通りから馬車道通りまでが歩行者天国となり様々な屋台が立ち並んで賑わいます。

それから三社祭には、手ぬぐい、扇子、巾着など祭り限定の授与品が用意されるので、興味がある人は記念に購入して帰るのもいいかもしれません。


祭り有名番付

横綱クラス
その他呼び名江戸三大祭

※祭りびと制作委員会による独自評価。対象となる祭りがどのくらい知名度があるか全国調査により格付け。


祭り要素

伝統・祈願
踊り・神輿

祭り評価

歴史アイコン
歴史
★★★★
ビジュアルアイコン
ビジュアル
★★★★
屋台アイコン
出店
★★★★★
環境アイコン
環境
★★★★★
アクセスアイコン
アクセス

※祭りびと制作委員会による独自評価。各項目毎★5つが最高評価。☆は詳細が不明のため評価なし。

祭り日程 2018

2018年5月18日~5月20日
日程・概要5月18日 大行列 13:00~(※雨天中止)びんざさら舞奉納ほか 14:20~
5月19日 例大祭式典 10:00~、町内神輿連合渡御ほか 12:00~
5月20日 本社神輿各町渡御 6:00~、奉納舞踊ほか 15:00~


祭りを見る&祭りに参加する

祭りを観覧する 祭りに参加する
観覧料金 無料 参加料金 無料(一部有料あり)
観覧予約 必要なし 参加予約 当日予約可

来場者層

おひとり様
おひとり様
家族
家族
カップル
カップル
友達
友達
来場者数 1500000人

アクセス

住所 東京都台東区浅草2-3-1
交通アクセス 東京メトロ銀座線・東武スカイツリーライン・つくばエクスプレス「浅草駅」より徒歩7分
都営地下鉄浅草線「浅草駅」徒歩9分

駐車場

駐車場 無し

主催 浅草神社奉賛会
公式URL http://www.asakusajinja.jp/sanjamatsuri/

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