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神田祭

「日本三大祭り」「江戸三大祭り」として全国的に知られ、西暦の奇数年には「本祭」として神輿や山車の華やかな巡行が見られる神幸祭、熱気あふれる神輿宮入が行われます。偶数年は「陰祭」となり例大祭、表千家による献茶式や能舞台などが執り行われます。


神田祭のトップ画像

神田祭の歴史

「明神さま」の境内に熱気と共に流れ込む神輿の数々、大きな歓声で迎える観客達。
江戸三大祭、日本三大祭りのひとつに数えられる「神田祭」は、2年に一度5月に東京都千代田区にある神田明神で行われる祭礼で、「神田明神祭」とも呼ばれます。祭りのメインイベントのひとつ「神幸祭」では、大小200もの神輿や曳き物などの豪華な大行列が、神田・日本橋周辺を一日かけて練り歩きます。これだけの数の神輿が一度に集まるのが神田祭の特徴とも言えます。そしてサブカルチャーの街秋葉原の電気街を、江戸の「天下祭」の鳳輦や神輿が巡行するという現代と伝統の対比が見られるのも神田祭ならではでしょう。

地元では「明神さま」の名で親しまれる神田明神は、天平2年(730年)現在の大手町将軍塚付近に創建され、後の元和2年(1616年)に江戸城拡張のため現在の外神田に遷座されました。合戦に勝利し天下統一を果たした徳川家康公は、戦勝の祈祷の礼として神田明神に社殿、神輿、祭器を寄進し、神田祭も「天下祭」として盛大に行われるようになりました。江戸総鎮守として将軍から庶民に至るまで多くの人々の崇敬を受けてきた神田明神は、今なお神田、日本橋、秋葉原、大手町、丸の内など108の町々の総氏神様として首都東京を守り続けています。

神田祭は元々は氏子町々が出す山車や「附け祭」が中心でしたが、明治以降、不景気や電線架線の影響で、山車から町神輿主流に移り変わってきました。それが平成に入り「附け祭」が新たな形で復興し、今日の神田祭は新旧の祭礼文化が併存し盛大に斎行されています。江戸文化、「天下祭」の伝統、江戸っ子達の粋は、一致団結した氏子達の誇りによって継承されています。


神田祭の見どころ

7日間に渡る祭りの主な祭事は、1日目:祭神を鳳輦・御輿に移す「鳳輦神輿遷座祭」、2日目:各町会の神輿に御祭神の神霊をお遷しする「氏子町会神輿神霊入れ」、3日目:町中を巡行するメインの神事「神幸祭」と「附け祭」、4日目:各町会の神輿が神田明神に参詣する「神輿宮入」、5日目:神田明神伝統の神事能「明神能・幽玄の花」、6日目:「献茶式 表千家家元奉仕」そして最終日は神田明神で最も大切な神事「例大祭」、そこでは巫女の浦安の舞も行われます。これらの祭事の中でも「神幸祭」と「神輿宮入」は、神田祭のメインイベントとなっています。「神幸祭」の日には朝から3基の鳳輦(ほうれん)・神輿を中心に、神田・日本橋などの氏子108町会を約30キロに渡って巡行します。諌鼓山車(かんこだし)を先頭に、獅子舞、宮司馬車、一の宮、大己貴命(だいこく様)、二の宮・少名彦命(えびす様)、三の宮・平将門命(たいらのまさかどのみこと)の鳳輦や宮神輿が平安装束をまとった人々に付き添われ粛々と行進します。神幸祭の行列は、16時頃に三越本店前にて神輿、山車、武者行列などの「附け祭」と合流し、数千人規模の大行列となって神田明神へ向かいます。

「附け祭」とは江戸時代に最も人気があった行列で、当時流行した能や浄瑠璃、歌舞伎などを題材に取り入れ、踊屋台や曳き物、仮装行列などで表現したものです。昔話の浦島太郎、花咲か爺さんや、バルーンで再現された「大江山凱陣(おおえやまがいじん)」、「鯰(地震の象徴)と要石(地震封じ)」など、ユニークで趣向を凝らしたものが多いので見ていて飽きません。中でも、平将門公が行った軍事訓練に由来する「相馬野馬追騎馬武者」は、国指定重要無形民俗文化財にもなっていて必見です。神幸列と合流する前に「附け祭行列」をじっくり見たい場合は、午後3時頃に附け祭の出発地点である「有馬小学校」に行くのが良いでしょう。

「神幸祭」の目玉である3基の鳳輦や神輿をゆっくり見学したい人は、昼過ぎに東日本橋の「薬研堀不動院」の隣で「昼御饌(ひるみけ)」と呼ばれる祭神に神饌を供える神事が行われる時、しばし神幸祭の行列が立ち止まるので、そちらまで足を運んでみてください。

「神輿宮入」では、100基を超える氏子町会の神輿が神田明神にお祓いを受けに行きます。神田祭が最高潮を迎えるのは、この神輿がお囃子の音にのって宮入する時です。続々と登場する迫力のある神輿の姿を目にし、神社境内が人々の熱気と歓声で溢れかえります。町内によって気合の魅せ方も様々で、ふんどし姿の勇ましい男性達や、ハッピ姿の粋な女性達が「せいや!せいや!」の掛け声と共に大きな神輿を担いで宮入していきます。ドンドンという太鼓の音と共に進む「神田市場の千貫神輿」を200人もの男衆達が担ぐ姿は見ごたえがあります。神輿もそれぞれの町の特色を活かした個性的なものが多く、見ていて飽きることがないでしょう。更にこの日宮入する唯一の人形山車「神田松枝町町会の羽衣山車」の見事な衣裳も見逃せません。その後、宮入り後の神輿は町へ繰り出し、威勢のよい掛け声と共に再び町が江戸の熱気に包まれます。

同日、各町会が集まって自分達の町会を巡る「地域渡御」もあり、数基の神輿が連なって町を練り歩く姿は圧巻です。神社への練り込みや手古舞が見られることもあります。地元ならではの和気あいあいとした雰囲気を味わいたい人、神輿を担いでみたい人は是非行ってみましょう。地元町会によっては担がせてくれるそうです。

その他、「神幸祭」と「御輿宮入」の日には、神田明神の隣の宮本公園で「神田祭太鼓フェスティバル」も行われます。関東を中心に各地の和太鼓集団が出演しますが、注目は「稚児舞(ちごまい・少女巫女による浦安の舞)です。


神田祭の注意点

神田祭は開催場所が秋葉原に近いという事もあり、伝統的な祭りにも関わらずアニメとコラボしてのイベントや広報を目にします。詳細に興味がある方は調べてみると面白いでしょう。

神田祭のアクセスですが、大規模な交通規制はないので車で行って有料駐車場に止めることも可能です。とはいえ、やはり都心という場所がら公共交通機関での移動をおすすめします。神田祭だからと「神田駅」で降りてしまう人がいるのですが、神田明神の最寄り駅はJRの御茶ノ水駅か秋葉原駅、もしくは銀座線の末広町駅です。祭りの会場は、日程や祭事、見たいポイントによって変わりますので、その都度調べるのが良いでしょう。

「神幸祭」で特に混雑するポイントは、日本橋中央通りで神幸祭に附け祭が合流する時でしょう。小さいお子様連れや大きな荷物を持っての移動は注意しましょう。「神輿宮入」を見るには、宮入り前の神輿が集結する大鳥居から参道、随神門を通って御社殿前あたりが観覧ポイントになりますが、神田明神前には神輿が入ってくるので正面は閉鎖されています。これだけ混雑していると境内まで入るのは一見不可能に見えますが、誘導員に従って脇門を進むと意外と早く辿り着けるので是非チャレンジしてみてください。ちなみに神田明神には屋上庭園があり、その下の駐車場には屋台もたくさん出ています。

遠方に住む人、どうしても混雑が嫌な人はYoutubeの生配信で神田祭を楽しむ事もできます。神輿は祭りの開催中に日本橋三越本店で特設展示される事があります。その他、神田明神にある「神田明神資料館」では、江戸時代から現代までの神田祭を紹介するジオラマや神田明神に関する資料などを見る事が出来ます。


祭り有名番付

横綱クラス
その他呼び名江戸三大祭
日本三大祭り

※祭りびと制作委員会による独自評価。対象となる祭りがどのくらい知名度があるか全国調査により格付け。


祭り要素

伝統・祈願
踊り・神輿

祭り評価

歴史アイコン
歴史
★★★
ビジュアルアイコン
ビジュアル
★★★★
屋台アイコン
出店
★★★★★
環境アイコン
環境
★★★★★
アクセスアイコン
アクセス

※祭りびと制作委員会による独自評価。各項目毎★5つが最高評価。☆は詳細が不明のため評価なし。

祭り日程 2018

2018年5月14日~5月15日
日程・概要5 月14日 献茶式(表千家奉仕) 17:30~明神能(金剛流奉仕)
5月15日 例大祭


祭りを見る&祭りに参加する

祭りを観覧する 祭りに参加する
観覧料金 無料(一部有料あり) 参加料金 無料(一部有料あり)
観覧予約 当日予約可 参加予約 当日予約可
観覧に関する詳細 明神能は有料 SS席8,000円 S1席7,500円 S2席 6,000円 A席4,500円 B席3,500円 当日券はB席のみ、朝10:00~若干数販売

来場者層

おひとり様
おひとり様
家族
家族
カップル
カップル
友達
友達
来場者数 3000000人

アクセス

住所 東京都千代田区外神田2-16-2
交通アクセス JR中央線・総武線「御茶ノ水駅」聖橋口より徒歩5分
JR京浜東北線・山手線「秋葉原駅」電気街口より徒歩7分
東京メトロ丸ノ内線「御茶ノ水駅」1番口より徒歩5分
東京メトロ千代田線「新御茶ノ水駅」B1出入口より徒歩5分
東京メトロ銀座線「末広町駅」より徒歩5分
東京メトロ日比谷線「秋葉原駅」より徒歩7分

駐車場

駐車場 無し

主催 神田明神
公式URL http://www.kandamyoujin.or.jp/kandamatsuri/

神田祭のレビュー

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