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秩父夜祭

江戸時代から続いており、秩父市の師走名物のお祭りです。見どころは勇壮な屋台囃子を打ち鳴らしながら街中を曳き廻される笠鉾2基と山車4基で、国の重要有形民俗文化財にも指定されています。クライマックスには花火の打ち上げも行われます。


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秩父夜祭のトップ画像

秩父夜祭の歴史

毎年12月2日と3日に行われる「秩父夜祭」。屋台が提灯で幻想的に灯される中、初冬の秩父の町が高揚した人々の熱気に包まれます。秩父の人々にとって年を締めくくるこの祭りは、歴史的・文化的に非常に価値の高い祭りで、京都祇園祭、飛騨高山祭と並び「日本三大曳山祭」のひとつとして知られています。その芸術的な山車や山鉾の曳き回し、屋台囃子や歌舞伎などの伝統芸能などは、まさに国宝級とも言えるでしょう。屋台の上から聞こえるお囃子や豪快な掛け声では、江戸や祇園の囃子の調子とは一風違った雰囲気を楽しむことができます。

秩父夜祭は、この地域の総鎮守である秩父神社の例大祭です。秩父はかつて絹の産地として知られ、江戸中期には秩父神社に絹織物の市「絹大市(きぬのたかまち)」が立ち、共に祭りも行われるようになりました。記録では江戸の寛文年間(1661~72)には秩父神社での祭りが存在していたそうです。当初秩父絹の市の付け祭として始まった祭は「お蚕祭り」とも呼ばれ、秩父の経済的な発展に従って盛大に行われるようになりました。

この祭りを特徴づけるのは、屋台の両袖に設置された舞台での地芝居「秩父歌舞伎」や、地元の花柳一門と杵屋(きねや)一門による「曳き踊り」ですが、これらは秩父神楽と共に「秩父祭の屋台行事と神楽」として、国の重要無形民俗文化財に指定されています。
漆や金細工などで豪華絢爛に装飾された2基の笠鉾と4基の屋台は、「秩父祭の屋台6基」として国の重要有形民俗文化財にもなっています。更に2016年には「秩父の屋台行事と神楽」が、ユネスコの世界無形文化遺産「山・鉾・屋台行事」のひとつとして登録されています。

歌舞伎や冬の花火も見られる秩父の師走名物「秩父夜祭」は、県内や国内だけにとどまらず日本を代表する祭りのひとつとして、海外でもその名を知られ毎年多くの外国人が訪れる祭りとなっています。


秩父夜祭の見どころ

屋台は、宮地(みやぢ)・上町(かみまち)・中町(なかまち)・元町(もとまち)の4基、笠鉾は、中近(なかちか)と下郷(したごう)の2基。どれも釘を使わずに組み立てられたもので、各屋台を特徴付ける彫り物や屋根の形は一見の価値があります。特に下郷の笠鉾は、高さ7mで重さ20トンと最も大きく見応えがあります。「後幕」と呼ばれる屋台後ろの飾り幕に施された豪華な刺繍も必見でしょう。

秩父夜祭ならではの長唄の演奏に合わせて踊る「屋台曳き踊り」や「屋台芝居(歌舞伎)」も見逃せません。4台の屋台は張出舞台を取り付けて芝居上演ができるもので、全国でも珍しい独特なスタイルの屋台です。芝居は4台の屋台が毎年当番形式で上演します。芝居だけでなく、屋台によって異なる長唄や踊りを比べて楽しむのも良いでしょう。

初日「宵宮」には、朝から綺羅びやかな4台の屋台の曳きまわしが行われ、「曳き踊り」と呼ばれる長唄の奉納が披露されます。狭い市内で大きな屋台が90度の方向転換をする「ギリ廻し」や、衝突すれすれ状態で屋台が進む「すれ違い」は、まさに迫力満点です。
3日「本宮」には朝から翌朝未明まで4台の屋台のほか2台の笠鉾が巡行されますが、その姿は「動く陽明門(日光東照宮)」と形容されるほど絢爛豪華です。夜になると太鼓の音が鳴り響く中、御旅所(おたびしょ)に向かう御神幸行列の後を、灯りをともした笠鉾や屋台が続きます。御旅所の直前にある「団子坂」を屋台・笠鉾が通る時が、祭り最大の見せ場となります。大勢の人が掛け声に合わせて綱を引き、最大20トンもある屋台・笠鉾が急坂を曳き上げられる様子はまさに圧巻です。

御旅所に到着する頃に、芸術玉、大玉スターマイン、黄金の滝などの花火が次々と打ち上げられ、秩父の夜空を美しく彩ります。冬の澄んだ空気の中、より鮮明でダイナミックに舞上がる花火には、誰もがその美しさに酔いしれることでしょう。


秩父夜祭の注意点

各屋台が披露する祭囃子、長唄、踊りは2日間楽しめますが、「山車のすれ違い」が目当てなら、2日の12~16時、もしくは18~20時頃の曳き回しに合わせて行きましょう。時間が限られている場合は、祭りが絶頂を迎える3日の19時頃から22時に行けば、団子坂の曳き上げと7000発前後打ち上げられる豪華な花火が見られます。屋台や笠鉾の観覧ポイントは、日中は聖人通り、秩父駅前通り、本町通りと中町通り、夜は当然クライマックスの団子坂です。祭り終盤になると市内は大混雑となるので、山車の細部は日中に見ておくのがいいでしょう。

御旅所や団子坂の他、市内数カ所に設置される有料観覧席を利用すれば、屋台や花火が間近でじっくり見られます。この観覧席は仮設トイレも近くに、飲食の持ち込みもできるので快適に祭りを楽しむことができます。ただ12月3日限定のこの桟敷席はすぐに完売してしまうので、10月の発売が始まったらすぐに予約しましょう。

花火の打ち上げ場所である羊山公園は小高い場所にあるので、市内各所にある高い建物から観覧できます。屋外だと西武秩父駅前「祭の湯」「道の駅ちちぶ」や、ショッピングモール「ウニクス秩父」の駐車場、もしくは当日通行止めになる国道140号線沿いからもよく見えます。

電車で行く場合の最寄り駅は、西武秩父線の西武秩父駅です。都内からは「西武池袋線急行」で秩父まで直通運転で行けます。祭り開催中は臨時列車の増発もあり、3日は0時位まで運行しています。車で行く場合は臨時駐車場に止めて、秩父ミューズパークからなら無料シャトルバスで本町交差点まで移動できます。携帯アプリを利用した駐車場の空き状況のチェックも可能です。

都内や神奈川県の各地から秩父夜祭に行くバスツアーも各種でています。都合がつかなくて行けない場合は、ライブ配信で祭りを楽しむ事もできます。
遠方から2日間の祭りを見に行く場合は、早めに宿の予約をしましょう。おすすめの旅館は、2百年の農家屋敷「宮本家」、同会社経営の「宮本の湯」、「ナチュラルファームシティ農園ホテル」です。

秩父は観光に力を入れている街なので、市や観光協会のホームページを始め、鉄道会社、旅行会社などから詳細な情報が簡単に入手できます。せっかく秩父まで行くのですから、しっかり事前に情報収集をして祭りをマックスまで楽しめるようにしましょう。祭りの行事案内、交通案内、祭礼区域、山車・笠鉾曳行(えいこう)図、花火大会プログラムなどがPDFで出ているので、事前にプリントして持って行くと当日動きやすいと思います。


祭り有名番付

大関クラス
その他呼び名日本三大曳山祭り

※祭りびと制作委員会による独自評価。対象となる祭りがどのくらい知名度があるか全国調査により格付け。


祭り要素

伝統・祈願
踊り・神輿
花火

祭り評価

歴史アイコン
歴史
★★★
ビジュアルアイコン
ビジュアル
★★★★★
屋台アイコン
出店
★★★★
環境アイコン
環境
★★★★
アクセスアイコン
アクセス
★★★

※祭りびと制作委員会による独自評価。各項目毎★5つが最高評価。☆は詳細が不明のため評価なし。

祭り日程 2017

2017年12月2日~12月3日
日程・概要12月2日
10:00~ 神楽奉奏
11:00~/18:00~ 屋台曳き廻し
19:00~20:00頃 花火打ち上げ
12月3日
9:30~13:00 屋台曳き踊り
15:00~16:00 おねり(歌舞伎道中)
19:30~22:00 花火打ち上げ


祭りを見る&祭りに参加する

祭りを観覧する 祭りに参加する
観覧料金 無料(一部有料あり) 参加料金 無料(一部有料あり)
観覧予約 当日予約可 参加予約 当日予約可
観覧に関する詳細 12月3日のみ観覧席あり。
10月14日~10月20日までに秩父観光協会まで申込(抽選)。
その他、旅行代理店が補修している観覧席もあり。

来場者層

おひとり様
おひとり様
家族
家族
カップル
カップル
友達
友達
来場者数 約300000人

アクセス

住所 埼玉県秩父市番場町1-3 秩父神社
交通アクセス 秩父鉄道「秩父駅」からすぐ
西武池袋線「西武秩父駅」から徒歩15分

駐車場

駐車場 有料 4000台

主催 秩父観光協会
公式URL http://www.chichibuji.gr.jp/event/yomatsuri/

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