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川越まつり(川越氷川祭)

江戸の情緒を残しているお祭りで、国の重要無形民俗文化財に指定されています。約370年守り続けてきた江戸の天下祭を再現した山車が特徴的で、向かい合う数台の山車が競い合う曳っかわせは最大の見どころです。


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川越まつり(川越氷川祭)の歴史

小江戸と呼ばれる川越の蔵造りの町並みを綺羅びやかな山車が練り歩く通称「川越祭り」は、埼玉県の秋の風物詩となっています。これは川越氷川神社の祭礼で、国の重要無形民俗文化財にも指定されているお祭りです。この祭りは10月14日に氷川神社で施行される「例大祭」の直後に行われる「神幸祭」と「山車の巡行」で構成されます。2日間にわたる祭りは、心ひとつになった川越市内の老若男女によって盛大に盛り上げられ、風情あふれる小江戸川越が1年で最も賑わいます。

個性的で迫力のある山車とそこから流れる数々のお囃子が、訪れる人を小江戸の町に誘い、囃子の音色に合わせて踊る天狗、ひょっとこ、もどき等の面をつけた踊り手達の舞にその場にいる人々は目と心を奪われます。古くから伝わる伝統行事「神幸祭」では、神様の乗った神輿や神馬などの行列とそれに従う山車行列が見ものとなっています。

川越祭りの根源である「神幸祭」は、慶安元年(1648)に川越藩主の松平伊豆守信綱が氷川神社に神輿や太鼓、獅子舞などを寄進したことにより、川越城下総鎮守の神事として行われるようになりました。慶安4年(1651)に御祭礼としての神輿巡業が始まったのが川越氷川祭の山車行事の起源だと言われます。当初は仮装行列と練り物だけであった祭りに、元禄11年(1698)には江戸祭礼の花形であった踊り屋台が取り入れられ、天保15年(1844)には山車の勾欄の上に人形を載せるようになり、現在の山車の原型ができました。新河岸川の舟運により江戸と結ばれていた川越は、その祭りに江戸天下祭の影響を強く受けつつも、川越独自の発展をさせてきました。町ごとに違う個性的な山車の形や山車の上の人形も時代と共に変化を遂げて来ました。

祭りの最大の特徴である山車は上部の人形を縮められる迫りあげ式のもので、その構造は三層、人形上下、枠上下型の江戸型になっています。その高さは8mを超え、重さは5~6トンあります。山車には廻り舞台が使われ、360度回転させられるのが特徴です。二重鉾の最上部に飾り付けられた人形はご神体であり、その姿は神話や民話、能や雅楽、徳川幕府や川越藩にちなんだ人物から選ばれて作られています。29台ある山車の中から毎年15台前後が祭りに参加しますが、その中には江戸時代に作られた山車もあります。この祭りの「山・鉾・屋台行事」は、2016年にユネスコの無形文化遺産に登録されました。

この祭りのお囃子は文化・文政時代から江戸に伝わったもので、笛1、大太鼓1、締太鼓2、かね1で構成される5人囃子に舞い手が加わり祭りを盛り上げます。

川越祭りは江戸天下祭の山車巡行を継承し、江戸の祭り文化を今に伝える貴重な都市型祭礼行事として時代や世代を越えて愛されて続けています。


川越まつり(川越氷川祭)の見どころ

江戸を彷彿させる蔵造りの町並みを、何台もの絢爛豪華な山車が横行しすれ違う様はそれだけでも見ものですが、この祭りが最も盛り上がるのは「ひっかわせ」です。山車同士が四つ角で出会った時に囃子台を回転させ、向かい合ってお囃子や踊りを競い合う様子は圧巻です。これは互いの山車に宿る神と神を曳き合わせる儀礼打ちで、ご神体に降りた神に囃子を奉納し、互いを称え合うというものです。流派が10以上あるお囃子や踊り手達が競い合いを始めると、まつり人達が大きな歓声をあげます。特に夕方以降に蔵造りの町並み、中央通り等の各交叉点で繰り広げられる「夜の曳っかわせ」は祭りの最高潮となります。山車や曳き方衆の持つ提灯に灯された幻想的な雰囲気が一転し、場が熱気に包まれます。

川越まつりのもうひとつの楽しみ方は、各町の個性あふれる山車や町によって揃えた衣装を見比べることにあるでしょう。昼過ぎの「市役所前の山車巡行」では、山車が止まって一台ずつお囃子を披露し、その時各町の山車の特徴もアナウンスされます。山車によって異なる幕の刺繍や個性的な人形、彫刻などの説明は聞き逃せません。「宵山」で山車が飾り置きされる蔵造りの町並み、または町内の会所前に設置された「居囃子」に行けば、山車を間近で見ることもできます。

祭りの主人公達である山車曳行の人々の衣装にも注目です。山車の曳き手である町方、職方と呼ばれる鳶や大工達、お囃子や踊り手たちの着物は、町ごとで揃えられています。
吉原つなぎの着物の手古舞達、町方は片袖脱ぎに尻っぱしょり、囃子は着流し、鳶や大工などの職方は半てんというように、個々の衣装によって祭りでの役が分かります。

その他じゃらん棒を持った町方の神幸祭行列のお迎えやお見送りを始め、この祭りでは江戸から引き継がれる祭りのしきたりを肌で感じることができます。たとえば、鳶頭が歌う「江戸木遣」や山車が初めて他町に入る時に許可を求める「わたり」やその時の口上などは代表的です。この「わたり」の作法は、那珂町、新富、笠原、仙波付など、町境の印に青竹に手ぬぐいが下げてある場所で見ることができます。


川越まつり(川越氷川祭)の注意点

祭りの2日間は駅周辺や市街地がとにかく混雑するので、時間に余裕を持って移動しましょう。車で行く場合は、市内の中学校などに設置された臨時無料駐車場なども利用できます。午前中に行けば、比較的空いてます。電車で行く場合は、露店を楽しむならJR川越駅、山車が見られる蔵造の町に直行するなら西武新宿線の本川越駅が最寄となります。
無料駐車場や駅から祭りの中心地までの距離、山車について移動するという事を考えるとかなり歩くことになります。荷物はできるだけ少なく、歩きやすい靴を履いて行きましょう。午前中から行って祭りを楽しみ、疲れたら菓子屋横丁や川越まつり会館などで少し休憩し、夕方「ひっかわせ」を見に戻るのも手だと思います。小さい子供連れの場合は昼間だけにする、または混雑する通りや交差点から少し離れて見学した方がいいでしょう。小江戸観光協会が事前に販売する桟敷席を購入しておけば、山車や曳っかわせを落ち着いて観覧する事ができます。町中には座れる場所があまりないので、折り畳み式の椅子などを持って行くと便利でしょう。当日は仮設トイレも多く設置され、祭り公式ページや駅前案内などで設置場所の確認ができるので安心です。

山車は町中を分散していて曳き廻しの順路も決まっていないのですが、まつり公式アプリでその時間の山車の位置を確認しながら移動することができます。もしくは、蔵造りの町並み、一番街商店街、市役所前で待っていれば、確実に山車の巡行が見られます。混雑しない場所で山車を見るには、山車が氷川神社にお参りする時を狙うのもいいでしょう。もしくは「川越まつり会館」へ足を運べば、祭り時でなくともじっくりと山車やお囃子を堪能することができます。


祭り有名番付

小結クラス

※祭りびと制作委員会による独自評価。対象となる祭りがどのくらい知名度があるか全国調査により格付け。


祭り要素

踊り・神輿

祭り評価

歴史アイコン
歴史
★★★
ビジュアルアイコン
ビジュアル
★★★★
屋台アイコン
出店
★★★★
環境アイコン
環境
★★★★★
アクセスアイコン
アクセス
★★

※祭りびと制作委員会による独自評価。各項目毎★5つが最高評価。☆は詳細が不明のため評価なし。

祭り日程 2018

2018年10月20日~21日
日程・概要10月20日
神幸祭 13:00
市役所前の山車揃い 14:00~15:00
宵山の山車揃い 18:00~19:00
鳶のはしご乗り 18:20
曳っかわせ 19:00~21:00 
10月21日
市役所前の山車巡行 13:00~15:00
曳っかわせ 18:30~21:00 等


祭りを見る&祭りに参加する

祭りを観覧する 祭りに参加する
観覧料金 無料 参加料金 無料(一部有料あり)
観覧予約 必要なし 参加予約 当日予約可

来場者層

家族
家族
来場者数 約730,000人

アクセス

住所 埼玉県川越市市街地中心部
交通アクセス 電車:JR川越線「川越駅」下車
車:関越道川越ICから国道16号経由5km30分

駐車場

駐車場 無料 1000台

主催 川越まつり協賛会
公式URL http://www.kawagoematsuri.jp/

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