松明あかし
日本三大火祭りの一つで、約420年以上の伝統を誇るお祭りです。若衆約150人が、長さ10m、重さ3tもある大松明や姫松明を担いで街を練り歩き、五老山に到着すると、「松明太鼓」が打ち鳴らされる中、大松明や姫松明、約30本の本松明が次々と点火され、晩秋の夜空を焦がすように燃え上がります
松明あかしの歴史
福島県須賀川市の夜を彩る松明あかしは、400年以上も受け継がれてきた伝統的な炎の祭典。30本近くの大きな松明を一斉に燃やす勇壮な祭りで、日本三大火祭りの一つにも数えられています。松明あかしの起源は16世紀後半、東北の統一を目指した戦国武将伊達政宗が、二階堂氏の守る須賀川城に攻め寄せてきたことにさかのぼります。須賀川の家臣や町人は城を守ろうと10月10日の夜、松明を手にして十日山に集まり、当時の須賀川城主の大乗院(二階堂盛義の後室で政宗の伯母)に決戦を促します。大乗院と家臣たちは決死の覚悟で大軍の伊達勢に立ち向かいますが、城と城下は火の海に包まれて落城しました。この戦いで命を落とした人の霊を慰めるために松明を燃やしたのが祭りの由来と伝えられています。祭りは新しい領主をはばかってムジナ(たぬき)狩りという名目で始まりましたが、やがて旧暦の10月10日に行なう鎮魂の伝統行事になりました。今では毎年11月の第2土曜日に、昔の戦いで命を落とした人への鎮魂と東日本大震災の犠牲者の慰霊を弔う想いを込めた祭りとして催されています。
松明あかしの見どころ
祭りは前夜祭から始まり、翠ヶ丘公園内の五老山を会場にした巨大松明の点火でクライマックスを迎えます。その点火前にチェックしておきたいのが、松明を運び込む松明行列。松明には3種類あり、最も大きな大松明は高さ10メートル、直径2メートルという巨大なもの。姫松明も高さ7メートル、直径1メートルの大きさを誇り、それ以外に地元の企業や学校から奉納された高さ6~8メートル、直径1メートルの本松明が30本近くあります。昼過ぎには約400人の中高生が、30本近くの本松明を担いで、松明通りから約1キロメートル先の五老山山頂を目指します。続いて重さ3トンにもなる大松明を男性150人がかり、重さ約1トンの姫松明を女性100人がかりで担いで町を練り歩きます。担ぎ棒の上にのっている松明はバランスを崩すと落ちてしまうので、「ワッショイ」と掛け声をかけながら全員で息を合わせなければなりません。一丸となって運ぶ姿は勇ましくじつに見応えがあります。また、五老山に到着すると大松明を垂直に立てますが、大きな大松明を人力で立てるため、観客も思わず手に汗握りながら見物。見事に垂直に立つと大きな拍手が上がります。
五老山に30本近くの大きな松明が並び立つと、いよいよお待ちかねの点火が始まります。まずは男性が梯子を使わず自らの手と足を使って、大松明を約10分かけてよじ登り、その頂点に火をともします。続いて姫松明や本松明にも次々と点火。たちまち松明から噴き出した炎が天を突くかのように巨大な火柱となって立ち上り、炎がうねり火の粉が乱舞しながら夜空を真っ赤に焦がします。それはまさにこの世のものとは思えないような荘厳な雰囲気。武者や城に模した松明にも点火され、1時間以上にわたって熱気に包まれた火祭りが繰り広げられます。
なお、祭りに自ら参加したい人は小松明行列に参加してみてはどうでしょう。これはそれぞれが小松明と呼ばれる火を下げて、暗闇の中、五老山を目指す幻想的な行列です。
松明あかしの注意点
祭りのメインである松明の点火は、会場である五老山と少し離れた十日山から見ることができます。迫力ある炎の乱舞を間近に見たいのであれば五老山、少し遠目ながらも落ち着いて全体を一望できる場所で見たいのであれば十日山が良いでしょう。このうち、会場となる五老山に観客スペースはあるもののあまり広くないため大変混雑します。そのため点火の時間ギリギリではなく、少し早めに入っておくのがおすすめです。松明行列と一緒に会場に入っても点火まで時間があるので、そのまま待機しておけば良いでしょう。ただしベストポジションでしっかり写真を撮りたい人は、松明行列の到着より先、午後早めの時間に場所をとる方が良さそうです。また、五老山で見物すると風向き次第では火の粉がふりかかってくる可能性がありますので、火傷等には十分注意してください。できれば多少焦げても良い服で行くのが無難です。
なお、祭りが行なわれる11月といえばすでに晩秋。どこで見物するにしても、夜は冷えるので寒さ対策も考えておくことが大切です。
気になるアクセスは、JR須賀川駅から五老山までは徒歩約15分。駅から歩いていくことも可能ですが、シャトルバスが出る可能性が高いのでそれを利用すると便利です。行列に随行したい人は駅をまっすぐ行った松明通りが出発点になります。車で須賀川を訪れる場合、地区周辺には2000台近くの駐車場が用意されていますが、毎年多くの観客が訪れる祭りのため周辺は渋滞するうえに、満車になる可能性があります。早めに行くことをおすすめします。
祭り有名番付
その他呼び名 | 日本三大火祭り |
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※祭りびと制作委員会による独自評価。対象となる祭りがどのくらい知名度があるか全国調査により格付け。
祭り要素
祭り評価
※祭りびと制作委員会による独自評価。各項目毎★5つが最高評価。☆は詳細が不明のため評価なし。
祭り日程 2018
11時00分~ おもてなしフードコート
13時00分 ~16時00分 おもてなし・イベント広場
13時30分 ~14時10分 大松明・姫松明披露
13時45分 本松明行列出発
15時00分 大松明・姫松明行列出発
16時00分 キャンドルナイト
16時45分 ~17時00分 御神火奉受式・献吟
17時00分 団体小松明行列出発
17時30分 ~18時15分 一般参加小松明行列
18時00分 ~20時15分 松明太鼓演奏
18時30分 大松明点火
19時15分 武者仕掛松明点火、城仕掛松明点火
祭りを見る&祭りに参加する
観覧料金 | 無料 | 参加料金 | 無料(一部有料あり) |
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観覧予約 | 必要なし | 参加予約 | 当日予約可 |
吉田医院前を出発地に大松明(男性)と姫松明(女性)を担ぎ、目抜き通りから五老山までの1.5kmを搬送して松明を人力で立てます。
■参加要件/高校生から40歳代までの健康な男女。ただし、健康に自信のない方は要相談。(現地解散になるので帰りの交通手段の確保できる方)
■集合場所/上北町集会所(当日お申し込みの場合はこちらに13:30までに集合してください)
小松明製作コーナー
竹・針金・布を材料に小松明を作ります。出来上がった小松明を持って、夕方からの小松明行列に参加することもできます。(材料がなくなり次第終了)
■参加要件/どなたでも参加できます(小学生以下は保護者同伴のこと)。
■受付時間/13:00~15:30 ■場所/須賀川信用金庫本店駐車場
小松明行列(一般参加)
点火した小松明を持って、見晴橋駐車場から五老山山頂まで歩き、所定の場所に掛けます。
■参加要件/どなたでも参加できます(小学生以下は保護者同伴のこと)。小松明製作コーナーで作った小松明でご参加ください。また、17:00から見晴橋駐車場で小松明の販売もいたします(1本500円で限定100本)。
■出発時間/17:30 ■場所/見晴橋駐車場
来場者層
アクセス
住所 | 福島県須賀川市愛宕山地内五老山(翠ヶ丘公園内)、松明通り |
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交通アクセス | JR東北本線「須賀川駅」から福島交通バス「須賀川中町」~徒歩5分 東北自動車道「須賀川IC」から車約10分 |
駐車場
駐車場 | 無料 2000台 |
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祭り問合せ
主催 | 須賀川市松明あかし実行委員会 |
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公式URL | http://www.city.sukagawa.fukushima.jp/taimatsu |