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相馬野馬追

一千有余年の歴史と伝統があり、国の重要無形民俗文化財に指定されています。2日目には、騎馬武者が「お行列」を成し、先祖伝来の旗指物をなびかせ疾走する「甲冑競馬」と、数百騎の騎馬武者が御神旗を目指して勇猛果敢に奪い合う「神旗争奪戦」が壮大なスケールで繰り広げられます。


相馬野馬追のトップ画像

相馬野馬追の歴史

相馬野馬追(そうまのまおい)は、福島県相馬市を初め、浜通り北部で行われる相馬中村神社、相馬太田神社、相馬小高神社三妙見神社のお祭りです。三妙見神社とは平将門が下総国猿島郡に創建した妙見社に起源を持つ神社です。
国の重要無形民俗文化財にも指定されているほか東北六大祭りの1つにもなっている有名なお祭りです。

このお祭りの起源は、平将門が、領地内の現在の千葉県松戸市に当たる下総国相馬郡に野生馬を放し、敵兵に見立てて捕らえ流という軍事演習をしたのが始まりとされています。鎌倉幕府になって軍事訓練は取り締まりを受けましたが、捕らえた馬は神前に奉納するという神事も兼ねていたので続けることができました。

平将門を先祖に持つ相馬氏は、重胤の代になって源頼朝から現在の南相馬市を与えられて、千葉から福島へ移住したことから福島で行われるようになりました。現在でも出陣式で歌われる「相馬流れ山」は故郷千葉県流山市を偲んで相馬氏が道中で口ずさんだものがもとになっていると言われています。

明治になって野生馬は途絶えてしまい一時消滅してしまいましたが、太田神社で再び再開され、1878年より中村、太田、小高の相馬三妙見が合同で行うことになりました。大勢の騎馬武者が登場する様は戦国時代の風景を見ているような迫力があります。
この祭りの総大将は相馬家から先祖代々選出されます。また祭りに参加する人も先祖から代々受け継いでいる人で構成されています。


相馬野馬追の見どころ

相馬中村神社、相馬太田神社、相馬小高神社それぞれに所属する各地区ごとに軍を作り、3つの軍が編成されます。初日は「宵祭り」として出陣式を行い、古式競馬を披露します。
まず各神社で出陣式が行われます。特に総大将も出陣し、軍の数も多い相馬中村神社で行われる出陣式は厳粛な気持ちにさせられます。

出陣の際は振旗を目印に螺の音が響渡り、祭りが始まります。3つの軍はまず雲雀ヶ原祭場地に集結し、そこで馬場清めの儀式を行ったのち、「宵乗り競馬」が行われます。
法螺の音とともに白鉢巻に野袴、陣羽織を身にまとい、馬には古式馬具をつけた騎手が馬場を走り抜ける様は圧巻です。

2日目に「本祭り」が行われます。花火と法螺、太鼓の合図で全ての騎馬武者が祭場地までの道のりを、御先乗、軍者、御使番、組頭といったそれぞれの従者を従え旗を持ちながら行軍します。祭場地に到着すると、山上に御本陣を構えて神輿が安置されます。

その後この祭りのハイライトとなる「甲冑競争」、そして「神旗争奪戦」と続きます。甲冑競争は兜を脱いで白鉢巻を巻いた騎馬武者が背中に色とりどりの旗をさしたまま、旗をなびかせながら疾走します。神旗争奪戦では、打ち上げた花火の中から舞い落ちてくる神旗に騎馬武者が群がって、その旗の争奪戦が繰り広げられます。この御神旗は元々は敵の首になぞられたもので、御神旗を奪い取った騎手は御神旗を掲げながら本陣のある山の上へと駆け上がります。


相馬野馬追の注意点

出陣式の行列は上から見下ろすことは礼儀に反することとされているため、行列を見やすい位置にある歩道橋にも一部の報道関係者しか上がることができません。一般の家でも2階などの上から見下ろすのは自粛しています。

お行列が始まるとなかなかゆっくりと近くから馬や武者を見ることはできませんが、沢山の騎馬武者達がスタンバイしている様子が見られるスタート地点や、お行列の休憩場所となる雲雀ヶ原祭場地の入場門前なら写真を撮ったりして騎馬武者の人々とも交流することができます。

相馬野馬追のメインの会場は相馬野馬追祭場地(雲雀ヶ原祭場地)になります。

お行列は沿道にて無料で観覧できますが、相馬野馬追の祭場地で行われる甲冑競馬と神旗争奪戦はチケットがないと入れないので注意が必要です。
全国で販売される前売り券の他、当日でも雲雀ヶ原祭場地の観覧券販売所でチケットを購入することができます。

雲雀ヶ原祭場地では観覧席といっても、草地に座ることになるので、敷物を用意しておきましょう。夏の初めに行われるので非常に暑く、暑さ対策もしっかりしておく必要があります。

雲雀ヶ原祭場地で祭りの様子を撮影するには、撮影許可証を購入する必要があります。また撮影場所はあらかじめ決められています。

本祭りの他におすすめなのが相馬野馬追初日に行われる北郷本陣祭です。これは中村神社から出陣した総大将を北郷の本陣で副大将をはじめ侍大将、副軍事、軍者といった者迎える儀式です。ここでは騎馬武者を実際に撮影したり交流することができます。お弁当やお土産もついた桟敷席もあるので、チケットを購入してゆっくり見物するのもおすすめです。
当日は雨天決行となります。

電車の最寄駅はJR常磐線「原ノ町駅」から約2?kmで、本祭の二日目には臨時シャトルバスが運行されています。車は常磐道南相馬ICからのアクセスとなります。当日は臨時の無料駐車場がありますが、会場に近いところからいっぱいになるので、早めに行くようにしましょう。


祭り有名番付

小結クラス

※祭りびと制作委員会による独自評価。対象となる祭りがどのくらい知名度があるか全国調査により格付け。


祭り要素

伝統・祈願
踊り・神輿

祭り評価

歴史アイコン
歴史
★★★★★
ビジュアルアイコン
ビジュアル
★★★★
屋台アイコン
出店
★★
環境アイコン
環境
★★★
アクセスアイコン
アクセス
★★★

※祭りびと制作委員会による独自評価。各項目毎★5つが最高評価。☆は詳細が不明のため評価なし。

祭り日程 2018

2018年7月28日~30日
日程・概要7月28日(土)
出陣 9:30~12:00 各市区
本陣到着 13:00・14:00
馬場潔の式
宵乗り競馬 14:00~
軍者会 17:30~ 旭公園
7月30日(日)
相馬三妙見神社御神輿礼螺奉納 4:00
勢揃い 小川町地内
お行列 9:30~11:00
式典執行
甲冑競馬 12:00~
神旗争奪戦 13:00~
火の祭 19:00~
7月30日(月)
野馬懸 9:00~11:30


祭りを見る&祭りに参加する

祭りを観覧する 祭りに参加する
観覧料金 無料(一部有料あり) 参加料金 無料(一部有料あり)
観覧予約 当日予約可 参加予約 当日予約可
観覧に関する詳細 甲冑競馬・神旗争奪戦
一般自由席 前売り 大人800円(高校生以上) 中学生以下無料
6月1日~発売開始
当日券販売あり 大人1000円
団体観覧指定席(20名以上)一人1,200円
事前申込み 4月2日~5月31日

行列観覧桟敷席(5名以上)
一人2,500円 事前申込み4月2日~5月31日

セット席(20名以上)
一人3,500円 事前申込み4月2日~5月31日

来場者層

おひとり様
おひとり様
家族
家族
カップル
カップル
友達
友達
来場者数 約200,000人

アクセス

住所 福島県南相馬市原町区牛来字出口206-1雲雀ヶ原祭場地 ほか
交通アクセス JR原ノ町駅→シャトルバス15分(2日目のみ運行)、バス停:会場下車、徒歩5分
常磐道南相馬ICから県道12号、34号経由8km20分

駐車場

駐車場 無料 3000台

主催 相馬野馬追執行委員会
公式URL http://soma-nomaoi.jp/

相馬野馬追のレビュー

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