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西馬音内盆踊り

国の重要無形民俗文化財にも指定されている伝統的な盆踊りです。編み笠や目に穴を開けたのみで顔をすっぽり覆って踊ることから「亡者踊り」とも呼ばれています。日本三大盆踊りのひとつでもあります。


西馬音内盆踊りのトップ画像
出典:http://www.town.ugo.lg.jp/sightseeing/index.html?category_id=41

西馬音内盆踊りの歴史

夏の風物詩、盆踊りは全国各地に数多く見ることができますが、幻想的で独特の優美さが漂う盆踊りと言えば、秋田県の西馬音内(にしもない)盆踊りです。
古くから地域に根付いた盆踊りとして地元の人々に親しまれてきましたが、現在では重要無形民俗文化財にも指定され、徳島県の阿波踊り、岐阜県の郡上踊りと並ぶ日本三大盆踊りの一つとしても有名になっています。
西馬音内盆踊りは、送り盆でもある8月16日から8月18日までの三日間、秋田県の内陸部に位置する雄勝郡羽後町西馬音内で行われます。羽後町は、のどかな田園風景が広が、人口2万人ほどの小さな町ですが、盆踊りの期間中は約10万人もの人々がおとずれます。
そのなかでも盆踊り会場となる東西300メートルほどの本町通りは、多くの踊り手たちと、観光客で大変な賑わいを見せます。
西馬音内盆踊りの起源は、はっきりとした伝承は伝わっていません。諸説あるなかでは、正応年間(1288~1293)の僧・源信が始めた「豊作祈願」の踊りと、関ヶ原の戦いがあった1600年前後、かの地を治めていた小野寺氏が滅び、その遺臣たちが主をしのび踊った「亡者踊り」が融合したものとする説が有力のようです。


西馬音内盆踊りの見どころ

まだ日の暮れ残る、8月の宵。人々を誘うかのように、寄せ太鼓と笛の音が響く中、色とりどりの浴衣を着た踊り手たちが会場にすえられた篝火を囲みます。
西馬音内盆踊りの踊り手たちがまとう浴衣は、伝統的な「藍染め」や「端縫い」の衣装です。手絞りの「藍染め浴衣」、とりどりの布を継ぎはいだ「端縫い衣装」は、何代もの女性たちの手を経てきた伝統の衣装です。腰部分に巻いた鮮やかな朱色の「しごき」という帯が、踊り手たちの動きに合わせて篝火の中揺らめきます。
盆踊りと言えば傘をかぶるスタイルが一般的ですが、西馬音内盆踊りの場合は、深く顔を隠した特徴的なかぶり方をします。また「彦三頭巾(ひこさずきん)」という、まるで歌舞伎の黒子が着けるような黒い頭巾をかぶっている踊り手もいます。これらは西馬音内盆踊りが「亡者踊り」であることを意味しています。
祭囃子が奏でる曲には「音頭」と「がんけ」の二種類があり、踊りもそれぞれ違います。「音頭」ではしっとりと。そしてやや哀調の「がんけ」は、踊りに回転が入るなどしてよりダイナミックな動きとなっています。「がんけ」の語源は、雁の動きに似せたからとも、「権化(仏教用語)」、または「願生化生(来世の幸福を願う)」が訛ったものとも言われています。
風土色の強い歌に力強い太鼓、宵闇を貫くような笛の音。しかしその踊りは対照的で、どこか雅さが漂います。しなやかな指の反りとたおやかな体の動き。男踊りにも同様の優美さがあります。
顔を隠した踊り手たちの白い手が、篝火に浮かぶさまは、どこか異世界のようで本当に幻想的です。
3日間にわたる西馬音内盆踊りですが、連日23:30という遅い時間まで踊りは続きます。夜更けまで続く盆踊りの最終日、フィナーレを迎えるころがこの盆踊り最大の盛り上がりです。祭囃子のテンポが徐々に早くなり、それに合わせて踊りもスピードアップ。フィナーレに向かって会場全体が高揚していきます。そして踊りが終わるとすぐさま、踊り手も観衆もみな、囃子方がいるやぐらの下に集まり「打ち上げ」を行います。祭囃子に合わせて上がる歓声は会場を飲み込み、参加した多くの人々に高揚感と一体感を与えてくれるでしょう。


西馬音内盆踊りの注意点

西馬音内盆踊りが行われる羽後町西馬音内には、駅がありません。また、町自体もそれほど大きくないので車で来た場合は駐車場の確保が大変難しくなります。そのため、観光バスや最寄りの駅などを経由する臨時運行バスの利用が便利です。
会場である本町通りもそう広くないので、ゆっくり鑑賞したいのであれば、盆踊りが開始される19時よりも前に町内に着くよう、スケジュールを調整してください。
また、近くでじっくり踊り手を見たい方や、ゆっくり座って見たい方には、有料の鑑賞席も用意されています。鑑賞席には前予約が必要な席と当日でも購入可能な席がありますが、どちらとも人気ですので、予定が立ち次第、早めの行動をおすすめします。
もちろん、会場内を自由に動いて鑑賞することも可能ですし、踊りに参加することもできます。
なお、小雨程度であれば決行しますが、雨天の場合は体育館やコミュニティセンターなどで行われます。悪天候が予想される場合は、あらかじめ場所を確認しておくと、当日の移動がスムーズになるでしょう。


祭り有名番付

関脇クラス
その他呼び名日本三大盆踊り

※祭りびと制作委員会による独自評価。対象となる祭りがどのくらい知名度があるか全国調査により格付け。


祭り要素

踊り・神輿

祭り評価

歴史アイコン
歴史
★★★
ビジュアルアイコン
ビジュアル
★★★
屋台アイコン
出店
★★★
環境アイコン
環境
★★★
アクセスアイコン
アクセス
★★★

※祭りびと制作委員会による独自評価。各項目毎★5つが最高評価。☆は詳細が不明のため評価なし。

祭り日程 2018

2018年8月16日~18日
日程・概要盆踊り
8月16日 18:20~23:00
8月17日 19:30~23:00
8月18日 19:30~23:30
盆踊り交流会(無料)
8月16日~18日 14:30~16:00


祭りを見る&祭りに参加する

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観覧料金 無料(一部有料あり) 参加料金 無料
観覧予約 当日予約可 参加予約 必要なし
観覧に関する詳細 事前予約分は2017年6月1日~15日に往復ハガキで申込。
締め切り後、抽選で決定します。
参加に関する詳細 盆踊り交流会は無料で参加可能

来場者層

おひとり様
おひとり様
家族
家族
カップル
カップル
友達
友達
来場者数 約150000人

アクセス

住所 秋田県雄勝郡羽後町西馬音内本町
交通アクセス JR奥羽本線「湯沢駅」から車約15分

駐車場

駐車場 有り(有料)

主催 西馬音内盆踊り実行委員会
公式URL http://www.town.ugo.lg.jp/sightseeing/index.html?category_id=41

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