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秋田竿燈まつり

竿燈全体を稲穂、連なる提灯を米俵に見立てて、額・腰・肩・手の平などで操って五穀豊穣を祈る祭りです。大若と呼ばれる最も大きな竿燈は高さ12m、重さ50kgにもなります。国重要無形民俗文化財で、東北三大祭りの1つとされています。


秋田竿燈まつりのトップ画像

秋田竿燈まつりの歴史

実りの国秋田を代表するお祭りとして有名な秋田竿燈まつりは、毎年夏の盛り、8月の初め、四日間にわたり行われています。仙台の七夕、青森のねぶた祭と並んで東北三大祭りの一つであり、重要無形文化財に指定されています。
秋田竿燈まつりは「米どころ秋田」を象徴する稲穂を模した竿燈が、夜空に高々と揺れる、壮大なお祭りです。
その始まりは、江戸時代の宝暦年間(1751~1763)と言われており、夏の眠気や邪気を祓う「ねぶり流し」を起源としています。ねぶり流しの風習に加え、提灯が普及した江戸時代、お盆の時に家の前に立てる高灯籠を持ち運べるようにしたものが、竿燈の原型と言われています。城下の職人町や商人町から発展していき、270年もの長い時を経ながら現在の形となりました。町内ごとに競い合うように竿燈を出し、町の発展や豊作を祝う祭りとして定着しました。
現在は、各町内からだけではなく、多くの企業や学校などからの参加もあり、約280本にも及ぶ竿燈に10.000もの提灯が、会場である竿燈大通りを彩ります。賑やかながらも日本的なお囃子と雄大な竿灯の妙技に、日本国内だけではなく海外からの観光客にも人気のお祭りの一つとなっています。


秋田竿燈まつりの見どころ

竿燈まつりには、昼竿燈と夜竿燈(または本竿燈)があります。
昼竿燈は、技の保存を目的に各参加団体の間で竿燈の妙技を競う「竿燈妙技会」が行われ、竿燈部門・囃子方、団体戦・個人戦などの6部門においてその年一番の名人が決まります。竿燈の基本技は「流し・平手・額・肩・腰」5つです。そのうちの「流し」とは、竿燈を次の継手へ受け渡しをするときの技のこと。竿燈が高く上がるのは、中心となるの一本の竹竿に、下からさらに竹を継ぎ足しているからです。
6mという決められた範囲内でバランスを取りながら慎重に高さを足し、手の平や額などでキープします。肩、腰となると技もどんどん高度になっていきます。技の美しさや安定感、力強さなどが採点の対象となります。
竿燈は、大きいものでは12m、重さ50㎏にもなり、重さや風に大きくしなる竿燈を体の一点で支え自在に操る技は、とても見ごたえがあります。時には一本歯の高下駄での演技や同時に傘を持つなど高度な技が見られることも。技の鑑賞法をここで覚えておくと、夜の本番では、もっと楽しんでみることができるでしょう。スケジュールに余裕があるのであれば、ぜひ昼竿燈から楽しむことをおすすめします。
また会場には、ミニチュア竿燈を上げる体験ができるチャレンジコーナーがあり、参加人数に制限がありますが、挑戦者全員には「竿燈名人」の称号がもらえます。燃え残った竿燈提灯のろうそくは安産のお守りとして配られていて、良い記念品になるでしょう。
会場となる竿燈大通りが封鎖されると、いよいよ夜竿燈の始まりです。
賑やかなお囃子の中次々と竿灯が入場します。町内のほかに企業や学校を含めると参加団体は70以上。提灯に火を灯し、まだ寝せた状態の竿燈が40分ほどかけて会場を埋めていきます。この時、入場のお囃子は「流し囃子」と呼ばれ、演技の時のお囃子「本囃子」とは違う調べになっています。聞き比べてみるのも楽しいですね。これらのお囃子は、秋田藩を治めていた佐竹氏の前任地、常陸国から伝わったという伝承があります。華やかな中にもどこか郷愁の漂う、実に日本的なお囃子といえるでしょう。
さて、全団体の入場が済むと、演技の時間が始まります。「どっこいしょー、どっこいしょー」の掛け声とともに一斉に竿燈があげられ、約800mの会場に乱立します。短い夏を惜しむように、そしてやがて来る実りの秋を寿ぐように、高々とそびえる竿燈はまさに黄金の稲穂。幻想的なその風景は、一度見たら忘れならない美しさです。
竿燈の形状は、稲穂の姿を模しており、吊り下げられた提灯はそれぞれ米俵を表しているとのこと。提灯は一つひとつ、職人による手作業で作られています。絵柄もそれぞれの団体で違いがあり、面白い図案やデザインの由来を考えてみるのも楽しいでしょう。
竿燈は、会場内の中央分離帯を挟み演技をしながらゆっくりと進みます。演技時間は約一時間ほど。名人たちの伝統技をじっくり鑑賞することができます。
竿燈演技のあとは、「ふれあい竿燈」の時間になります。短い時間ではありますが、実際に竿燈に触れる体験や記念撮影が可能です。こちらは毎年大変な人気なので、体験してみたい方は素早い行動と、差し手や囃子方の皆さんに積極的に話しかけることをおすすめします。
そして最後にもう一つ、お祭りの楽しみと言えば、お祭りフード。会場内には、屋台村やご当地グルメフェスティバルが開かれており、定番のお祭りフードや秋田のグルメを楽しむことができます。秋田のソウルフード「きりたんぽ」やB級グルメで有名な「横手焼きそば」などは、ぜひ一度味わってほしい味です。秋田の思い出に、ぜひいろいろなご当地フードを体験してみてください。


秋田竿燈まつりの注意点

お祭り期間中、100万人以上もの観光客が訪れる竿燈まつり。会場付近の混雑ぶりは相当のものです。臨時駐車場もありますが、夜間には交通規制もあるので注意が必要です。
秋田駅から歩いても約15分程度と会場も近いので、電車での移動が便利です。また、秋田空港からはリムジンバスが出ていますので、飛行機で訪れた際はぜひご利用ください。
広い会場ですが、有料の観覧席が用意されていますので、ゆっくりと座って鑑賞したい方にはおすすめです。升席、雛壇席、長椅子など、有料席には数種類あります。ホテルの企画で宿泊券とセットになっているものや当日券もあるようですので、事前に問い合わせするとスムーズです。
竿燈の提灯は、水濡れを防止するためにロウが塗られているので、小雨程度の場合は決行します。しかし大雨など荒れた日には中止となりますので、天候にご注意ください、
また、雪国秋田とはいえ、夏場はほかの地域と同じように大変な暑さも予想されます。昼竿燈の際には、熱中症などの対策をしっかり摂るようにして、楽しく参加してください。


祭り有名番付

横綱クラス
その他呼び名東北三大祭り
日本三大提灯祭

※祭りびと制作委員会による独自評価。対象となる祭りがどのくらい知名度があるか全国調査により格付け。


祭り要素

伝統・祈願
踊り・神輿

祭り評価

歴史アイコン
歴史
★★★
ビジュアルアイコン
ビジュアル
★★★★★
屋台アイコン
出店
★★★★★
環境アイコン
環境
★★★★
アクセスアイコン
アクセス
★★

※祭りびと制作委員会による独自評価。各項目毎★5つが最高評価。☆は詳細が不明のため評価なし。

祭り日程 2018

2018年8月3日~6日
日程・概要夜本番
8月3日~8月6日
18:50~ 竿燈入場
19:25~20:35 竿燈演技
20:35~ ふれあいの時間
昼竿燈
8月4日~8月5日 9:00~15:40
8月6日 9:20~15:00
竿燈市民パレード
8月6日 18;40~19:05


祭りを見る&祭りに参加する

祭りを観覧する 祭りに参加する
観覧料金 無料(一部有料あり) 参加料金 無料(一部有料あり)
観覧予約 当日予約可 参加予約 当日予約可
観覧に関する詳細 有料観覧席予約受付
団体(15名以上) 4月3日 10:00~
個人(14名以下) 5月1日 10:00~
※1日あたり28枡。申込多数の場合は抽選

来場者層

おひとり様
おひとり様
家族
家族
カップル
カップル
友達
友達
来場者数 1310000人

アクセス

住所 秋田県秋田市山王 竿燈大通り、妙技会・千秋公園中土橋
交通アクセス JR「秋田駅」から徒歩15分

駐車場

駐車場 有り 無料

主催 秋田市竿燈まつり実行委員会
公式URL http://www.kantou.gr.jp/index.htm

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