祭りびと » 宮城県 » 仙台七夕まつり

仙台七夕まつり

日本一の規模を誇る七夕行事。東北三大祭りの一つとして知られています。伝統の「七つ飾り」に彩られた絢爛豪華な笹飾りが華やかに街を彩り、趣向を凝らした多くのイベントもあり、全国から訪れる観光客を魅了します。


同じ祭りの詳細

花火の詳細は仙台七夕花火祭でご確認ください。


仙台七夕まつりのトップ画像
出典:http://cocomiyagi.jp/sightseeing/2015/07/post-1.html

仙台七夕まつりの歴史

色とりどりの贅沢な和紙で作られた豪華絢爛な3000本あまりの七夕飾り。美しく飾られた笹飾りに埋め尽くされ、仙台の街が色鮮やかに彩られます。真夏の風物詩「仙台七夕まつり」は、青森ねぶた祭り、秋田竿灯まつりと並び東北三大祭のひとつとして全国的に有名です。地元で「たなばたさん」と親しまれるこのお祭りは、毎年中暦の8月6日から8日の3日間、宮城県仙台市のアーケード街や仙台駅を中心として市内各地で行われます。前夜祭には大規模な花火大会も行われ、仙台の街はたくさんの観光客で賑わいます。

仙台七夕まつりの起源は明確ではありませんが、江戸時代初期には既にその原型があったと言われています。仙台藩祖の伊達政宗が婦女の文化向上のために七夕まつりを推奨したとされ、伊達政宗公が詠んだ七夕に関する当時の和歌も残っています。もともと田んぼの神様を迎え入れるためのお祭りとして始められ、農家では藁で七夕馬を作って屋根に飾ったりしていました。宮城県各地で賑やかに行われていた七夕まつりですが、明治維新後には次第に小規模になり、第一次世界大戦後には衰退していました。しかし、当時の不景気を心配した仙台商人達が昭和2年(1927年)に商店街を華やかに飾り、七夕まつりを復活させました。翌年の昭和3年(1928年)には「東北産業博覧会」が開催され、それに合わせて仙台商工会議所と七夕祭協賛会が市内の町内会に呼びかけて「七夕飾り付けコンクール」を開催し、仙台の街が活気を取り戻しました。第二次世界大戦で一時は休止となったものの、終戦翌年には一番町通りに立てられた52本の竹飾りで再び七夕まつりが復活し、更にその翌年に昭和天皇が巡幸した際には、沿道に5000本もの竹飾りで作ったアーチでお迎えしたそうです。高度成長期頃からは更に華やかで盛大なものとなり、1970年に始まった「仙台七夕花火まつり」と合わせて、仙台の一大観光イベントになりました。仙台七夕まつりは、2011年の東日本大震災が起こった年にも鎮魂と復興の願いを込めて例年通りに開催されました。歴史の荒波の中で衰退する度に、仙台市民は熱い想いでこの伝統行事を続ける事で街を元気づけてきたのです。仙台七夕まつりの初日が8月6日の原爆の日であるところから、全国から「平和七夕」のために100万羽もの折鶴が寄せられ、そのうち18万羽は5本の吹き流しにして飾られ、花輪状にされた残りの折鶴は平和のメッセージと共に観光客に贈られるそうです。

仙台七夕国際交流実行委員会などの普及活動により「仙台七夕まつりINパリ」を始め、仙台七夕まつりは海を越えていきました。1979年からはブラジルのサンパウロで、2009年からはアメリカのロスアンゼルスのリトルトーキョーで七夕まつりが開催されるようになっています。

毎年8月この時期、華やかな七夕色に染まった街はお祭りムードでいっぱいになり、市内各地に飾り付けられた大小合わせて合計3000本以上の七夕飾り、そして高さ10m級の迫力の笹飾りを見ようと国内外から大勢の観光客が仙台市に押し寄せます。


仙台七夕まつりの見どころ

仙台七夕まつりの主会場は「仙台のアーケード街(一番町・中央通り)」「勾当台公園市民広場」「仙台西公園」です。会場を歩いていると視界に飛び込む大きな飾り付けは「笹飾り」と呼ばれ、高さ10mほどの吹き流し型の飾り5本1組を竹竿に取り付けて設置されます。この色鮮やかな笹飾りは友禅和紙を贅沢に使った手作りで、参加する商店や企業は数ヶ月前から飾り付けの準備を始めるそうです。各団体が趣向を凝らして作った様々な飾り付けに注目してください。手の混んだデザインの美しく立派な笹飾りを始め、電飾や仕掛けが施された物、ユーモアを利かせた物、子供が喜びそうなデザインの物など、そのバリエーションのある飾り付けは見ていて飽きません。中には1本数百万もする竹飾りもあるそうなので、一本一本よく見て探してみてください。毎年飾り付けの審査で金銀銅の各賞が決められるため、各商店街や商業協同組合が競い合い、どんどん飾り付けが華やかになってきたようです。最近は人気漫画やアニメのキャラクターが描かれた七夕飾りが展示される事も多く、人気キャラクターの七夕飾り周辺は、SNS用に写真を撮る人々で溢れかえります。その他にも、アーケードを歩いていると一際目を引くのは「からくり七夕」と呼ばれる飾り付けです。設置された小型舞台の上で動く数体の糸操り人形は毎年変わるので見逃さないでください。

仙台七夕では「7つ飾り」と呼ばれる7種類の伝統的な七夕飾りが必ず使われているそうです。それぞれの飾りには次のような願いが込められています。「短冊」学問や書道の上達、「紙衣」裁縫・手芸の上達や厄除け、「折鶴」健康長寿・家内安全、「巾着」富貴と貯金や商売繁盛、「投網」豊漁・豊作、「くずかご」清潔と倹約、「吹き流し」機織りや技芸の上達。仙台七夕飾りの大きな特徴は吹き流しの頂点に付けられた丸い「くす玉」ですが、これは戦後から始められたもので、故人の霊を慰めるという願いが込められているそうです。これは竹で作った軽い球体の周りを京花紙などでダリアの花をイメージして飾り付けます。

まつり期間中は「勾当台公園市民広場」「つなぎ横丁」「定禅寺通りグリーンベルト」が「お祭り広場」になります。中でも一番盛り上がるのは「勾当台公園市民広場」です。お祭り広場では、和太鼓やコンサートなどの各種ステージイベントや、七夕の歴史を学べる展示、牛タンなどの宮城グルメが堪能できる飲食ブース「七夕食堂」等が設置されます。他にも、七夕踊り、紙芝居、7つ飾り体験や短冊記入コーナー等のワークショップ等、イベント盛り沢山なので是非参加してみてください。

仙台藩祖の伊達政宗らの霊廟「瑞鳳殿(ずいほうでん)」では、七夕まつりに合わせて「瑞鳳殿七夕ナイト」と呼ばれるイルミネーションイベントが開催されます。1200本の竹提灯で美しく灯された参道から境内までを歩いて、幻想的な仙台の夜を味わうのも貴重な経験になると思います。

祭りの前日である5日の夜には「仙台七夕花火まつり」も行われます。これは毎年16000発前後打ち上げられる大規模な花火大会で、仙台市内のどこからでも見ることができるのが魅力です。色とりどりの特大スターマイン、360度から楽しめる仕掛け花火やキャラクター花火など見応えのある花火が盛り沢山なので、七夕祭りと合わせてお楽しみください。


仙台七夕まつりの注意点

仙台七夕まつりに東京方面から行く場合は東北新幹線や飛行機、そして仙台市内での移動は公共交通機関の利用が便利です。この期間にはJRや仙台市交通局が列車やバスの臨時便を運行しています。車で行くときは、東北自動車道の仙台宮城ICで一般道に降りてから国道48号線で仙台市内を目指してください。祭り期間中の仙台市内は一部交通規制もあり、有料駐車場はとても混雑します。それでも車で行く場合は、通常は利用できない月極駐車場や個人所有の駐車場の空きを利用できるakippa等の格安オンラインコインパーキングで事前に駐車場を確保しておく方法もあります。日本各地から出発している「仙台七夕まつりツアー」の観光バスを利用するのもいいでしょう。飛行機で行く場合、空港からJR仙台駅まで電車で20分程度です。

「中央通会場」へのアクセスは、JRもしくは地下鉄の「仙台駅」、地下鉄南北線「広瀬通駅」を出るとすぐにアーケード街が見えます。「一番通り会場」の七夕飾りを見るには、地下鉄東西線「青葉通り一番町駅」か地下鉄南北線「勾当台公園駅」で下車すると便利です。「仙台西公園会場」の最寄り駅は、地下鉄東西線「大町西公園駅」になります。「お祭り会場」でもある「勾当台公園市民広場会場」は、地下鉄南北線「勾当台公園駅」から徒歩約3分ですが、仙台駅から歩いても25分程度で着けます。時間や体力に余裕があるなら、仙台駅からアーケード街を通り、七夕飾りを観賞しながら勾当台公園へ向かうルートをお勧めします。

仙台七夕まつりの時間帯ですが、「中央通り」と「一番町通り」のアーケード商店街は、初日と2日目は22時まで、最終日は21時まで笹飾りの展示を観賞をすることが出来ます。仙台駅周辺や、それ以外の周辺商店街の七夕飾りは、3日間とも18時までの展示となるのでご注意ください。

前夜祭の「七夕花火まつり」の会場へは、地下鉄東西線「大町西公園駅」から徒歩約3分、地下鉄南北線の「広瀬通駅」からは徒歩約10分、仙台駅から歩いても20分程度です。仙台七夕花火まつりは毎年観客動員数が50万人以上と言われ、一般無料観覧席はすぐに満席になってしまします。近くでゆっくり花火を楽しみたい方は「仲の瀬橋」「仲の瀬グラウンド」「青葉山交流広場」「国際センターエントランス前広場」等に設置される有料観覧席を確保しておくといいでしょう。観覧席が取れなかった場合でも「広瀬通り・西公園通り」「仙台国際センター南側エリア」「仙台第二高校グラウンド」「澱橋(よどみばし)周辺河川敷」「青葉城址(仙台城址)」「評定河原(ひょうじょうがわら)野球場周辺」「宮城県庁展望台」「宮城県美術館」「東北大学川内キャンパス付近」等のスポットに行けば、比較的人が少なく充分に花火を堪能できます。ただし付近には、花火の打ち上げ時に立入禁止になるエリアもあるので注意してください。花火の観覧には、虫除けグッズやレジャーシート等を持っていくと便利です。

この時期の仙台では雨が降る事が多いので雨具を持って行った方がいいでしょう。ちなみに和紙で作った笹飾りは滑車を使って素早く上げ下げできるので、雨が降っても大丈夫だそうです。前夜祭の「仙台七夕花火まつり」の日に雨が降った場合は、最終日の翌日である8月9日の打ち上げに延期される事があります。

地元企業の「かまぼこ鐘崎」の工場内にある「七夕ミュージアム」では、江戸時代から現代までの七夕飾りが常時展示されています。ここでは仙台七夕飾り作りの体験や、最近の七夕まつりでは少なくなった「仙台仕掛け物」を実際に紐を引いて動かす事もできます。年を通して見学可能なので、是非一度足を運んでみてください。


祭り有名番付

横綱クラス
その他呼び名日本三大七夕祭り
東北三大祭り
たなばたさん

※祭りびと制作委員会による独自評価。対象となる祭りがどのくらい知名度があるか全国調査により格付け。


祭り要素

伝統・祈願
アミューズメント

祭り評価

歴史アイコン
歴史
★★★
ビジュアルアイコン
ビジュアル
★★★★★
屋台アイコン
出店
★★★★★
環境アイコン
環境
★★★★★
アクセスアイコン
アクセス
★★

※祭りびと制作委員会による独自評価。各項目毎★5つが最高評価。☆は詳細が不明のため評価なし。

祭り日程 2018

2018年8月6日~8日
日程・概要七夕飾り付け時間
8月6日~7日 10:00~22:00
8月8日  10:00~21:00 
おまつり広場
8月6日~8日 11:00~21:00
瑞鳳殿七夕ナイト
8月6日~8日 18:00~21:00
仙台城跡ナイトイベント
8月6日~8日 17:00~20:00
七夕バスツアー
8月7日 9:15~


祭りを見る&祭りに参加する

祭りを観覧する 祭りに参加する
観覧料金 無料(一部有料あり) 参加料金 無料(一部有料あり)
観覧予約 必要なし 参加予約 当日予約可
観覧に関する詳細 瑞鳳殿七夕ナイト:拝観料550円
参加に関する詳細 市内を巡りながら手作りの飾り付けやおもてなしを体験する「七夕バスツアー」は各コース3000円定員30名(先着順)。参加申込書に記入の上FAXにて応募。

来場者層

おひとり様
おひとり様
家族
家族
カップル
カップル
友達
友達
来場者数 約2000000人

アクセス

住所 宮城県仙台市青葉区 中心部商店街、市内全域
交通アクセス JR「仙台駅」すぐ
東北自動車道「仙台宮城IC」から車15分
※交通規制のため公共交通機関の利用がおすすめ

駐車場

駐車場 有り(市内各所・有料)

主催 仙台七夕まつり協賛会
公式URL http://www.sendaitanabata.com/

仙台七夕まつりのレビュー

まだレビューがありません