盛岡さんさ踊り
勇壮な太鼓と華麗な踊りで知られる盛岡の夏の代表的な祭です。“来て、観て、魅せられ、加わるさんさ”をキャッチフレーズに、伝統さんさ踊りのパレードをはじめ、自由参加の場所もある「輪踊り」で賑わいます。最終日には、2014年に「和太鼓の同時演奏記録」世界一を達成した「太鼓大パレード」と「大輪踊り」がフィナーレを飾ります。
出典:http://www.sansaodori.jp/
盛岡さんさ踊りの歴史
「サッコラ、チョイワヤッセ」という独特な掛け声で華麗に踊る「ミスさんさ集団」の魅力的な笑顔と艶やかな浴衣姿。軽快でリズミカルな演奏で踊り進む圧巻の太鼓パレード。こんな光景が見られるのが盛岡夏の風物詩「盛岡さんさ踊り」です。毎年8月1日から4日にかけて岩手県盛岡市で開催されるこのお祭りは、様々なさんさ踊り団体のステージ舞台やパレードでの優雅な演舞、勇壮な和太鼓演奏で知られています。特に最終日の「1万人の太鼓パレード」の群舞は壮観で、日本一とも言われます。大勢の女性奏者の太鼓を叩きながらの演舞や踊り手達のダイナミックかつしなやかでキレの利いた動きは「盛岡さんさ踊り」の特徴と言えるでしょう。パレードや輪踊りには一般参加者も加わって、女性中心とした踊り手達と共に盛岡の夏の夜を盛り上げます。
「さんさ踊り」の起源は諸説ありますが、「三ツ石伝説」に由来すると言う説が最も一般的です。その昔「羅刹鬼(らせつき)」が盛岡城下で大暴れしていたので、困り果てた人々が三ツ石神社の神様に祈願したところ、神様は羅刹鬼を捕らえ、二度と悪さをしないよう境内の三つの巨石に誓いの手形を押させました。喜んだ人々が三ツ石の周りを「さんさ、さんさ」と踊ったのが「さんさ踊り」の始まりとされています。ちなみに岩手という県名もこの手形の石から来ているそうです。さんさ踊りは平安安泰、五穀豊穣、悪鬼退散の祈りを込めた踊りで、江戸時代から盛岡各地で踊られてきました。
第一回「盛岡さんさ踊り」が開催されたのは1978年で、盛岡各地の様々なさんさ踊りを統合し、盛岡の一大観光イベントとして始められました。2014年には3,437人の演奏で「和太鼓同時演奏数世界一」のギネス世界記録に登録されています。2017年には第40回を記念して「盛岡さんさ踊り高校選手権大会(さんさ甲子園)」も始まりました。
盛岡市では毎年一般公募で「ミスさんさ踊り」「ミス太鼓」「ミス横笛」「うたっこ娘」が選出され、盛岡市内外で「さんさ踊り」のPRと親善交流のために年を通して活躍します。東北祭りの中では比較的歴史が新しい「さんさ踊り」の知名度があがった理由は、その見た目の華やかさや踊りの多様さだけではなく、盛岡市民ぐるみで大切に伝統を継承し祭りを盛り上げてきたからでしょう。盛岡市民の誇りであるこの「盛岡さんさ踊り」は、今では「東北五代祭り」に挙げられています。
盛岡さんさ踊りの見どころ
祭りのサブ会場である「盛岡市民文化ホール」と「盛岡駅前滝の広場」では4日間に渡り「伝統さんさ踊り競演会」が開催されます。ここでは、昔から踊り継がれてきた伝統さんさ踊り団体による「味わいのあるさんさ踊り」と、ミスさんさ踊りやさんさ太鼓達による「華麗なさんさ踊り」の両方が楽しめます。「味わいのあるさんさ踊り」は「伝統さんさ踊り」と分類される盛岡地域で昔から伝承されてきた盆踊りです。その地域独自の衣装、掛け声、古典演目「田植えくずし」や「剣舞くずし」を始めとする複雑な振付けで種類の多い踊りは、とても見応えがあります。衣装も手甲と脚絆にワラジ履き、前掛けなど、伝統的な装束の団体が多く見られます。演目の初めに先立って踊る鳥追い笠を被りイタチを持った踊り手は「一八(いっぱち)」と呼ばれる道化役で、踊りのベテランが務めています。一方の「華麗なさんさ踊り」で披露されるのは、1978年にさんさ踊りパレードが始まった時「誰にでも踊れるように」と伝統さんさ踊りをアレンジして簡単にしたものです。こちらが一般的に「盛岡さんさ踊り」と呼ばれる踊りで、第一「統合さんさ」、第二「七夕くずし」、第三「栄夜差(えいやさ)踊り」、第四「福呼(ふっこ)踊り」の4種類があります。パレードでは主にこちらの踊りが見られます。
注目のパレードは、連日夕方より中央通りの県庁前から中央通り2丁目にかけて行われます。参加団体は地域、職場、学校などで集まった50~250人で構成されていて、各団体は太鼓、笛、踊りの3つのパートに分かれています。太鼓は直径50cm前後の締太鼓で、奏者はこの重さ約6~7kgの太鼓を胸に抱えて叩きながら軽快に踊ります。太鼓と共にさんさ踊りに欠かせないのが笛ですが、盛岡さんさでは低音が出る3号の竹笛が使われ、こちらも踊りながら演奏します。団体に寄ってはここに鉦も加わり、太鼓、笛、踊り手の大パレードをまとめる重要な役割を持ちます。各団体の振付け、衣装、躍り構成は実に様々で、見ていて飽きることがありません。
さんさ踊りを見てまず目に飛び込んでくるのは、踊り手達の彩色豊かな衣装でしょう。美しい着物に巻かれた腰紐は、赤、黄、青、紫、ピンクの五色(地域によっては七色)で、悪魔を追い払う意味があるそうです。頭にのせた真っ赤な花笠は手作りで、牡丹の花をイメージして作られています。
パレードでは、機関車、城、動物などの形をした派手な「花車」も目を引きます。提灯や電飾で華やかに演出された花車上のステージでは、こちらも色鮮やかな衣装での踊りや太鼓演奏が披露され、とても見応えがあります。花車は観覧客の参加スポットにもなっています。
最終日に行われる「さんさ太鼓大パレード」では「和太鼓同時演奏数世界一」の迫力の演舞が見られます。よく見ると太鼓を叩くバチも形や材質が様々で、その太さや重さによって音も変わってくるそうです。一万太鼓の群舞はまさに圧巻で、身体の奥まで響き渡ります。
パレードに参加した踊り集団の中から連日優れたグループが選出されるので、各団体は1年かけて準備してきた演舞を熱演します。最優秀賞の選考は踊りの華やかさ、掛け声の大きさ、太鼓の迫力の他、団体としての統一感が問われます。その他、アイデア勝負の「パフォーマンス賞」や華やかさや演出を競う「最優秀花車賞」等があるので、どの団体が入賞するか審査しながら観覧するのも楽しいと思います。お勧め注目団体は、盛岡大学、岩手大学、陸上自衛隊のさんさ踊りチームです。
パレード終了後には会場各所で「輪踊り」が開催され、観覧者もミスさんさやパレード参加者と一緒に踊ることができます。飛び入り参加でも、黄色いタスキをかけた「さんさ・おへれんせ(お入りなさい)師匠」がその場で踊り方を教えてくれるので大丈夫です。公会堂で行われる「加わるさんさ練習会」に参加すれば、さんさ踊り2番「七夕くずし」の踊り方を教えてもらえます。参加費無料で予約不要なので、躍り方を覚えて「輪踊り」や、一般参加の「盛岡青年会議所パレード」に当日参加しましょう。事前に「さんさおへれんせ集団」にメールで申し込み、パレードに参加する方法もあります。歴代「ミスさんさ踊り」の人達に踊りを教わって、練習した後にはお揃いの半てんを着て一緒にパレードに参加できます。是非パレードで実際に踊って、さんさ踊りの魅力を体感してください。
盛岡さんさ踊りの注意点
祭り開催期間は交通規制がされるので、市内の移動は公共交通機関の利用をお勧めします。特にパレードの時間帯は中央通り周辺が全面交通禁止となるので注意してください。路線バスの運行経路も変更されるので事前確認が必要です。会場周辺は相当混雑するので、ベビーカー等の利用は避けた方がいいでしょう。
祭りに自動車で行く場合は「下橋中学校」「仁王小学校」「桜城小学校」「河北小学校」に設置される臨時駐車場が無料で利用できます。空路の場合は、いわて花巻空港からJR盛岡駅まで空港特急バスで45分です。祭りの期間中、IGRいわて銀河鉄道では臨時列車が運行されますが、特に帰りの時間は混雑が予想されるので予め往復切符を購入しておくといいでしょう。JR盛岡駅からパレードの行われる中央通会場までは徒歩15分です。サブ会場の「盛岡駅前滝の広場」は東口を出てすぐ、「盛岡市民文化ホール(マリオス)」へは西口を出て徒歩3分程度で行けます。
パレードの時間帯は交通が困難なほど混雑する場合があるので周囲への配慮が必要です。会場内の歩道には白線が引かれ、白線より道路側が「観覧スペース」、白線より建物側が「通行スペース」と分かれているので、観覧の際には通行スペースで立ち止まらないようにしましょう。会場の一部区間では座って観覧できますが、観覧スペースでもビニールシート等を敷いての場所取りは禁止されているのでご注意ください。パレードコース内への立ち入りや車道に足を投げ出しての観覧も、パレード進行の妨げになります。
主会場の中央通会場の「県庁前」と「内丸公園前」には有料観覧席が設置されます。チケットは盛岡商工会議所1階窓口やセブンチケットで6月より販売されます。
観覧席では、喫煙、ペット同伴の入場、傘や日傘の使用、通行や観覧の妨げになる物(三脚、旗、のぼりなど)の設置はご遠慮ください。小雨決行ですが、観覧席には屋根がないのでレインコート等を準備しておくと良いでしょう。
サブ会場の盛岡市民文化ホールの観覧には入場券が必要です。入場券は1日券と4日セット券があり、盛岡商工会議所、市役所観光交流課、市民文化ホール、盛岡観光コンベンション協会プラザおでって、全国のセブンイレブンで6月初旬より販売されます。盛岡駅前の滝の広場会場の観覧は無料です。
もっとさんさ踊りを見たい人は、7月下旬に行われる「三ツ石神社奉納演舞」や7月31日に盛岡駅前滝の広場で開催される「盛岡さんさ踊り前夜祭」でも「さんさ踊り」が披露されるので是非足を運んでみてください。さんさ踊りのルーツと言われる鬼の手形がある「三ツ石神社」は、盛岡市名須川町の東顕寺の裏側にあり、ここは知る人ぞ知るパワースポットです。 祭りの期間中、県庁や櫻山神社の周辺には多くの屋台が立ち並ぶので、焼き冷麺や蒸し牡蠣、鹿肉串焼きなど岩手グルメを堪能しておきましょう。
祭り有名番付
※祭りびと制作委員会による独自評価。対象となる祭りがどのくらい知名度があるか全国調査により格付け。
祭り要素
祭り評価
※祭りびと制作委員会による独自評価。各項目毎★5つが最高評価。☆は詳細が不明のため評価なし。
祭り日程 2018
伝統さんさ輪踊り
魅せるさんさパレード・第1部
(1)先導パレード(8月1日のみ)
(2)ミスさんさ踊り・さんさ太鼓連パレード
(3)踊り集団パレード(第1~4集団)
魅せるさんさパレード・第2部
(1)伝統さんさ踊りパレード
(2)踊り集団パレード(第5~7集団)
(3)花車と一般参加者パレード
愉しむさんさ輪踊り
最終日8月4日のみの特別プログラム
『世界一の太鼓大パレード』
『大輪踊り(だいわおどり)』
祭りを見る&祭りに参加する
観覧料金 | 無料(一部有料あり) | 参加料金 | 無料 |
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観覧予約 | 当日予約可 | 参加予約 | 当日予約可 |
1席 2,500円 ※3歳以下の膝上観覧は無料
窓口販売(Oブロック)
伝統さんさ踊り競演会(盛岡市民文化ホール)1日券1人500円、4日間セット券1000円
受付期間 平成29年6月1日(木)~売り切れ次第終了となります。
受付時間 平日 午前10時~午後5時 (土・日・祝日は販売できません)
場所 盛岡商工会議所1F窓口
枚数 お1人様 9枚まで
セブンチケット(セブン-イレブン)での販売(K・L・Mブロック)
受付期間 平成29年6月1日(木) 午前10時から
※完売次第 受付終了となります。
祭り当日に踊りを練習、そのままパレードに参加する。
期 日 8月1日(火)~4日(金)の4日間
練習会 場所・・・もりおか歴史文化館前広場
時間・・・16時~17時30分
パレード 20時頃(4日は19時頃)、市役所前からスタートいたします。
服 装 お揃いの半てんをご用意いたします。(貸出)
定 員 各日先着70名
申 込 み 事前にお申し込みを受け付けいたします。
メール等で 『さんさおヘれんせ集団』 申し込みと明記し、
①参加希望日
②参加される方の氏名(子どもの場合は年齢も)
③代表者の方の氏名と連絡先(携帯電話番号)
④参加される方のお住まい(都道府県、市町村 ・・・ 例)宮城県仙台市)
をお知らせください。1名での申し込みもお待ちしております。
E-mail info@sansaodori.jp まで
申込期間 6月1日より申し込みを受け付け、定員に達し次第募集終了
参加料 無料
来場者層
アクセス
住所 | 岩手県盛岡市中央通中央通、盛岡市民文化ホール、盛岡駅前滝の広場 |
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交通アクセス | JR「盛岡駅」から徒歩15分、 東北自動車道「盛岡IC」から車約15分 |
駐車場
駐車場 | 無料 800台 |
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祭り問合せ
主催 | 盛岡さんさ踊り実行委員会 |
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公式URL | http://www.sansaodori.jp/info/ |