祭りびと » 岩手県 » チャグチャグ馬コ

チャグチャグ馬コ

色とりどりの装束に身を包んだ100頭ほどの馬が、滝沢市の鬼越蒼前神社から盛岡市の八幡宮まで13キロの道のりを行進するお祭です。歩くたびにチャグチャグと鳴る鈴の音が名称の由来といわれ、昭和53年には、文化庁の「記録作成等の措置を講ずべき無形の民俗文化財」に、平成8年には環境庁の「残したい日本の音風景百選」に指定されています。


チャグチャグ馬コのトップ画像
出典:http://www.city.morioka.iwate.jp/kankou/kankou/umako/1007961.html

チャグチャグ馬コの歴史

緑風香る6月、岩手県では「チャグチャグ馬コ」というかわいらしいネーミングのお祭りが行われます。農耕になくてはならない「馬」への感謝をささげ、無病息災を祈る全国的にも珍しいお祭りです。色とりどりの馬具を付けた100頭もの馬とその乗り手、引き手が、岩手県滝沢市にある「鬼越蒼前(おにこしそうぜん)神社」から、盛岡市の「盛岡八幡宮」までのおよそ13kmを、四時間ほどかけて練り歩きます。
祭りが始まったのは江戸時代と言われ、農耕が盛んだったことと、南部藩が治めるこの地が大型で優秀な「南部駒」の産地であったことが由来としてあげられます。200年以上の歴史を誇るチャグチャグ馬コは、1978年、国の選択無形民俗文化財に指定されました。
「チャグチャグ」という言葉は、馬が付ける鈴の音を表しています。ゆっくりと馬が歩くたびに聞こえる温かく素朴なこの鈴の音は、環境省の「残したい日本の音風景100選」にも選ばれています。
また、江戸時代からチャグチャグ馬コは「馬」にちなんで、5月最初の午(うま)の日である端午の節句(旧暦5月5日)に行われていました。近年では知名度の上昇に伴い来場者数が増えたこともあり、現在では6月の第二土曜日に開催されるようになっています。


チャグチャグ馬コの見どころ

チャグチャグ馬コが行われる6月。
この時期、米の一大産地でもある岩手県では田植えが終わり、田んぼに満ちた水が鏡のように風景を移します。爽やかな初夏の風にまだ小さい稲の穂が揺れ、水面に風が渡ります。そんな風景の中を、あざやかな馬具を付けた約100頭の馬たちが「チャグチャグ」と鈴の音を響かせて行進をします。チャグチャグ馬コは美しい色彩のコントラストと、馬の足音、そして鈴の軽やかな音が楽しめるお祭りです。
華やかな馬具は、「小荷駄装束」と呼ばれています。その昔、参勤交代で江戸に向かう際、献上品などをのせる馬に付けた豪華な衣装のことです。馬の体に適した麻を主に使い、「首よろい」「鼻隠し」「耳袋」そしてあざやかな「吹き流し」といった昔ながらの手法で染められた飾りと100あまりの鈴をふんだんに付けます。また馬と共に行列に参加する乗り手や引き手たちも、伝統的な衣装を身にまとっています。チャグチャグ馬コの背に乗る子ども達のかわいらしい衣装は必見です。
参勤交代は大名同士の格式を競いあう場でもありました。体格が良く立派な南部駒と豪華な装束は、南部の誇りでもあったのでしょう。のどかな緑の中を行進する馬と乗り手・引き手を見ていると、まるで江戸時代にタイムスリップしたような気分になります。
春の農作業で頑張ってくれた馬を労い、病気やケガをせず健やかに過ごしてほしいと願った地域の人々の温かい気持ちが見えるチャグチャグ馬コ。馬を大切にする気持ちは南部特有の建築様式「南部曲がり家」にも現れています。厩を家から離して立てるのではなく、馬と生活を共にするという考えのもとに発展していった民家の建て方です。「南部曲がり家」は盛岡市の観光施設などで移設復元されたものを見ることができます。チャグチャグ馬コを見に行った際はせっかくなので、岩手の風土や民俗文化に触れてみてはいかがでしょうか。


チャグチャグ馬コの注意点

チャグチャグ馬コ開催日の一週間前に、滝沢市では「チャグチャグ馬コまつり」が開催されます。子供限定ではありますが、本番同様に着飾ったチャグチャグ馬コに乗っての撮影会や、地域に伝わる伝統芸能などが楽しめます。ただし本番のチャグチャグ馬コと勘違いしやすいので、日程には注意してください。
チャグチャグ馬コの出発地点「鬼越蒼前神社」には、駐車場がありません。移動の際はバスやタクシーの利用をおすすめします。無料のシャトルバスも出ています。
なお、チャグチャグ馬コは生きている馬が主役のお祭りです。温厚で大きな体をしていますが馬はとても臆病な動物です。カメラのフラッシュや車のクラクションなどでおびえて、予期せぬアクシデントを起こしてしまうことも考えられますので、十分な配慮が必要です。また、同じ理由によりドローンによる撮影も禁止されています。
当日は通行ルートに沿って交通規制も実施されるので、事前にルートチェックをおすすめします。近隣の駐車場も混雑が予想されるので、余裕を持った早めの移動を心がけましょう。
チャグチャグ馬コは馬との距離が近い癒しのお祭りです。馬の歩みに合わせたゆったりした時間を楽しんでください。


祭り有名番付

小結クラス

※祭りびと制作委員会による独自評価。対象となる祭りがどのくらい知名度があるか全国調査により格付け。


祭り要素

伝統・祈願
踊り・神輿

祭り評価

歴史アイコン
歴史
★★★
ビジュアルアイコン
ビジュアル
★★★
屋台アイコン
出店
★★
環境アイコン
環境
★★★
アクセスアイコン
アクセス
★★★

※祭りびと制作委員会による独自評価。各項目毎★5つが最高評価。☆は詳細が不明のため評価なし。

祭り日程 2018

2018年6月9日
日程・概要6月9日(土)
9:30~13:30 チャグチャグ馬コ
12:00~13:00 チャグチャグ馬コ手踊り、さんさ踊りパレード
13:00~13:20 滝沢駒踊り披露
14:30~15:30 馬コと撮影会


祭りを見る&祭りに参加する

祭りを観覧する 祭りに参加する
観覧料金 無料 参加料金 無料(一部有料あり)
観覧予約 必要なし 参加予約 当日予約可
参加に関する詳細 チャグチャグ馬コの引き手
チャグチャグ馬コ当日(6月9日)、馬を引いて歩くことができる、馬が好きな18歳以上。
安全面への配慮のため、事前に開催する練習会(3回程度)に参加できる人。
※練習会の日程については、決定次第、その都度お知らせいたします。
募集人数 10名程度
費用 2,000円
はがきに住所と名前、年齢、性別、職業、電話番号を記入し、盛岡市役所観光交流課内・チャグチャグ馬コ保存会事務局(〒020?8530住所不要)へ郵送。
平成30年2月26日(月)必着。
定員を超えた場合は抽選を行い、引き手参加者を決定します。結果については、文書の送付にてお知らせします。
その他 衣装はチャグチャグ馬コ保存会で準備しますが、草履や足袋などは各自で用意いただきます。
行進本番では、行進経路を3区間に分け、その中の1区間を馬を引いて歩いていただきます。
※馬を引く区間や距離は参加者により異なります。

チャグチャグ馬コの乗り手(新小学1年生から3年生まで)は、4月に募集予定です。

来場者層

おひとり様
おひとり様
家族
家族
カップル
カップル
友達
友達

アクセス

住所 岩手県滝沢市~盛岡市鬼越蒼前神社~盛岡八幡宮
交通アクセス 鬼越蒼前神社(出発地)
JR「盛岡駅」からバスターミナル9番乗り場「滝沢営業所行」の岩手県交通バス約20分「蒼前神社口」~徒歩20分、
東北自動車道「盛岡IC」から車約15分

駐車場

駐車場 無料 300台

主催 チャグチャグ馬コ保存会
公式URL http://www.city.takizawa.iwate.jp/data/takizawa_kankou/01chag.html

チャグチャグ馬コのレビュー

まだレビューがありません